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2002年11月24日

チェ・ゲバラ AMERICA放浪書簡集

チェ・ゲバラ AMERICA放浪書簡集■著者:チェ・ゲバラ著,棚橋加奈江訳
■書誌事項:現代企画室 2001.10.22 ISBN4-7738-0102-6
■感想
医大を卒業し、ベネズエラのハンセン病院に向かうつもりで旅立つが、ボリビアを経て針路を変え、グアテマラへ行き、そこで社会主義政権の崩壊を目の当たりにする。メキシコに逃れたゲバラはそこでカストロらと出会う。ゲリラとしての訓練を積み、キューバを目指すことになるのだが、この頃の家族に当てた書簡集である。大学在学中の南米旅行記が先述の書で、この本は年代記としていうと、その続編に近い。
家族の案だものなので、政治的・歴史的な価値は低いかもしれないが、人間像がわかって面白い。このいろいろと迷っている頃のゲバラの方が確信をもって革命に邁進しているゲバラより近寄りやすい。以前刊行されていた書籍は、ちょっと埃をかぶった感があるが、最近出ているものは革命家以前のものなので、そうでもないところがポイント。
しかし、ふと思ったのだが「ゲリラ」ってそもそもどんな意味なんだろう?ベトナムの頃に聞いて慣れていて、語義を確認するのを怠っていた。なるほど。「テロリスト」とはものすごく遠いな。