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2005年7月 4日

シャーロック・ホームズの冒険 第13巻

シャーロックホームズの冒険 第13巻第23話:ウィステリア荘 Wisteria Lodge
■スタッフ
監督:ピーター・ハモンド
脚本:ジェレミー・ポール
ゲスト:フレディ・ジョーンズ(名古屋章)

「奇怪な」という言葉を、君ならどう定義づけるね?」
■紹介  ジョン・スコット・エクルズ氏はガルシアという男と知り合い、屋敷に招かれた。そこでサリー州のウィステリア荘を訪れるが、料理や給仕の態度もひどいもので、翌朝になってみるとガルシアの姿はなく、屋敷はもぬけの殻だった。この奇妙な出来事を解明するため、ホームズとワトソンを連れ、エクルズはウィステリア荘に戻る。  屋敷に到着すると、ガルシアは家から一マイルほどの沼地で撲殺体となって発見されたとサリー州警察のベインズ警部が告げる。エクルズはガルシア殺害の容疑者となっていた。この奇怪な事件をホームズはどう片付けるのか。

■感想
ホームズには警察に好敵手がいない。ポワロには親友のジャップ警部がいたりするのだが。本編に登場するベインズ警部はホームズも高く評価するキレ者だ。ベインズ警部が出てきた、ということには意味がある作品だが、その点以外ではちょっと、どうもなという今一の作品だ。原作の南米に対する蔑視感をかなり削っており、意味がわからなくなってしまっている。もちろん、やむを得ない処置だとは思う。最初からベインズがムリロの正体を知っていた、ということになっているので余計にじゃあ何故ホームズが出っ張ってくる必要性があったのかなぁとか思ってしまい、ちょっと興ざめなんである。
やっぱりホームズは孤高の天才でいて欲しい。理解者はワトスンとマイクロフトだけというのがいい。

(オススメ度:☆☆★★★)

第24話:ブルース・パーティントン設計書 The Bruce Partington Palns
■スタッフ
監督:ジョン・コリー
脚本:ジョン・ホークスワース
ゲスト:チャールズ・グレイ(久米明)

お前はその気にさえなれば、ロンドンきっての空き巣狙いになれるな―

■紹介
ホームズの兄マイクロフトは普段は自宅と役所とクラブ(ディオゲネス・クラブ)の間を行き来するだけで、それ以外の場所へ行こうとはしない。しかし、そんな兄がホームズのもとを訪ねて来る。地下鉄の線路脇で発見されたカドガン・ウエスト青年の死体から、重大な軍事機密、ブルース・パーティントン潜水艇の設計図が見つかったが、盗まれた10枚のうち3枚が行方不明だという。ホームズはマイクロフトの依頼を受け、調査を開始する。
盗まれたのはウーリッチ兵器廠からだが、鍵をもっていたのは二人だけ。そのうちの一人に会いに行くと、驚くことに今回の事件の責任を感じるあまり心労が募って、心臓の病で亡くなっていた。また、ウエストの死体に切符がなかったこと、列車から転落したにしては外傷が少なかったことから、ホームズは疑問を抱くが…。

■感想
冒頭、いきなりホームズが歌っている。これは中世音楽だそうだが、画像(NHKはカット)だけ見ていると、ちょっとぎょっとする。政府関係の書類がなくなる話は、他にもあって、似たような話だなぁとは思うのだが、このお話のポイントは列車の屋根に死体を落とし、そのまま運行してカーブで死体が落ちる、というところ。これは秀逸なトリックだろう。この時代ののんびりとした列車の運行なら考えられる。
オーバーシュタイン(なんてドイツっぽい名前…銀英伝か?)の家に忍び込もうとホームズが誘うと、ワトソンは最初は渋る。しかしホームズの説得に応じて承諾する。このときの一生懸命説得するホームズの姿はなかなか親しみがもてる。

(オススメ度:☆☆☆★★)