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2005年5月 3日

Americanfilm 1967-1972「アメリカン・ニューシネマ」の神話

「アメリカン・ニューシネマ」の神話■著者:ブラック・アンド・ブルー編
■書誌事項:ネコ・パブリッシング  1998.3.16 ISBN4-87366-162-5
■内容
こんな本が出ているとはまったく知らなかった。これでも「アメリカン・ニューシネマ」にはそれなりに詳しいつもりだったのだが。しかし「アメリカン・ニューシネマ」という言葉はそもそも日本でしか通用せず、欧米にないものだから、資料が少ないのは当然だろう。ここでは「アメリカン・ニュー・ウェイブ」と言っていたりもするが、やっぱり昔からのなじみ深い「ニューシネマ」の方が好きだったりする。

「アメリカン・ニューシネマ」は「タイム」で言われたのが最初。このときはそれなりにちゃんとした定義があったのだが、日本で定着したのは、本当に曖昧な定義である。

1.「反体制」あるいは「体制拒否」的な姿勢
2.アンチ・ヒーロー
3.ロックやポップスの感覚的な使用
4.アンハッピーエンド
5.ドキュメンタリー調の映像

日本では実際上記のような特徴をなんとなく備えているものは全部「アメリカン・ニューシネマ」という漠然とした呼ばれ方をしている。しかし私の中ではとても振幅あって、一概にはどうもくくれない、という違和感ももちろんある。

本書は、日本では未公開だったりビデオ販売のみだったりするマイナーな映画も取り上げていて、型どおりの選び方ではないので結構面白い。だが定価が安い(1500円)とは言え、安い紙使ってるなぁ。ムックじゃないんだからさ。それに私は著者陣も遠野純生しか知らない。しかも、一覧すらない…使えないなぁ。ちょっとうさんくさい映画の本だった。知らない筈だわ。

掲載映画一覧
1967
Bonny and Clyde「俺たちに明日はない」
The Graduate「卒業」
Born Losers「地獄の天使」
You are a Big Boy Now「(大人になれば…)」
In Cold Blood「冷血」
Reflections in a Golden Eye「禁じられた情事の森」
Cool Hand Luke「暴力脱獄」
The Incident「ある戦慄」
Point Blank「殺しの分け前 ポイント・ブランク」

1968
The Fox「女狐」
Faces「フェイシズ」
The Swimmer「泳ぐひと」
The Sergeant「軍曹」
Rachel, Rachel「レーチェル レーチェル」
Night of the Living Dead「ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド」
Greetings「(BLUE MANHATTAN II 黄昏のニューヨーク)」
Wild in the Streets「(狂った青春)」
Targets「殺人者はライフルを持っている」
The Boston Strangler「絞殺魔」
Head「ザ・モンキーズ HEAD! 恋の合言葉」


1969
Butch Cassidy and the Sundance Kid「明日に向かって撃て!」
Alice's Restaurant「アリスのレストラン」
Easy Rider「イージー・ライダー」
Bob & Carol & Ted & Alice「ボブとキャロルとテッドとアリス」
Who's That Knocking at My Door?「ドアをノックするのは誰?」
The Rain People「雨の中の女」
That Cold Day in the Park「雨にぬれた舗道」
Downhill Race「白銀のレーサー」
Puzzle of a Downfall Child「ルーという女」
Midnight Cowboy「真夜中のカーボーイ」
Medium Cool「アメリカを斬る」
Goodbye, Columbus「さよならコロンバス」
Last Summer「去年の夏」
Tell Them Willie Boy is here「夕日に向かって走れ」
The Arrangement「アレンジメント」
The Wild Bunch「ワイルド・パンチ」
They Shoot Horses, Don't They?「ひとりぼっちの青春」
The Sterile Cuckoo「くちづけ」
John and Mary「ジョンとメリー」
The Gypsy Moth「さすらいの大空」

1970
Litle Big Man「小さな巨人」
Catch-22「キャッチ22」
Five Easy Pieces「ファイブ・イージー・ピーセス」
Alex in Wonderland
M★A★S★H「M★A★S★H」
Brewster McCloud「BIRD★SHT」
The Landlord「真夜中の青春」
The Boys in the Band「真夜中のパーティ」
Joe「ジョー」
Beyond the Valley of the Dolls「ワイルド・パーティー」
The Honeymoon Killers
Soldier Blue「ソルジャー・ブルー」
Where's Pappa?
The Strawberry Statement「いちご白書」
Getting Straight「…YOU…」
Drive, He Said
The Revolutionary
Bloody mama「血まみれギャング・ママ」
Gas-s-s-s, or It Became Necessary to Destroy the World in Order to Save It
End of the Road

1971
The Christian Licorice Store
Carnal Knowledge「愛の狩人」
Harold and Maud「ハロルドとモード 少年は虹をわたる」
Taking off「パパ/ずれてるゥ!」
Two-Lane Blacktop「断絶」
Born to Win「生き残るヤツ」
Who is Harry Kellerman and why is he saying those terrible things about me?
A Safe Place
Bananas「ウッディ・アレンのバナ」
The Last Picture Show「ラスト・ショー」
The Boguiled「白い肌の異常な夜」
The Grissom Gand「傷だらけの挽歌」
Vanishing Point「バニシング・ポイント」
The Last Movie「ラスト・ムービー」
Fat City「(ゴングなき戦い)」

1972
Bless the Beasts & Children「動物と子供たちの詩」
The Visitors
The King of Marvin Gardens