リヴァイアサン
■原題:Leviathan, 1992
■著者:ポール・オースター著,柴田元幸訳
■書誌事項:新潮社 1999.12.25 ISBN4-10-521705-4
■感想
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最近読んだ本、見た映画・芝居、聞いたCD
2002年1月28日
2002年1月26日
■Im Lauf der Zeit, 1976 西独
■スタッフ
監督・脚本:ヴィム・ヴェンダース Wim Wenders
製作:ミヒャエル・ヴィーデルマン
撮影:ロビー・ミューラー Robby Müller/マルチン・シェイファー
音楽:インプルーブド・サウンド
出演:リュディガー・フォグラー Rüdiger Vogler/ハンス・ツィッシュラー Hanns Zischler/リサ・クロイツァー Lisa Kreuzer/ルドルフ・シュントラー Rudolf Schundler
■感想
ロードムービー三部作の最後。3作品の中では、これが一番好きなのかもしれないなぁとあらためて思った。「都会のアリス」の方が人には勧められるけど、意外と肩肘貼って見ている自分がわかるし、「まわり道」は観念的すぎる。約3時間の長丁場、のんびり開放的な気分で見られるし、これが一番ロードムービーらしい作品。エンディングも楽天的。ヴェンダースの中では最も楽観的な結末となっている。
西ドイツと東ドイツの国境あたりをロケハンだけしっかりやって、脚本はなし。脚本も決めずに撮影に入って、即興的な部分の良さを保ちつつ、作品としての質を下げず、怠惰な感じを出さないなんていうのは、奇跡的な出来事だったのだろう。
登場人物二人のそれぞれの故郷へ立ち寄る場面があるが、ブルーノの「ライン」って何だろうと思っていたら、本当にライン川の中州に家がある。なんだ
車窓風景やサイドカーで走る場面、とぎれとぎれに挟まれるディランの歌。とてもカッコいいのだが、この辺りは、どうしたって60年代末から70年代のニュー・アメリカン・シネマのロードムービーの影響が感じられるが、一目瞭然で違いが出ているのが、モノクロ、という点だろう。「まわり道」を何故カラーにしたのか、という問いに「原作があるから」というよくわからないWWの答えがある。「自分の世界なら絶対モノクロ、他人のものならカラー」というこだわりがあったようだ。
最後の方になると台詞が映画に関する演説になっていて、それがヴェンダースらしいと言えばらしいが、わりといい気分で引っ張ってきたのだから、やめた方が良かったんじゃないかな。
2002年1月20日
■The end of violence, 1997 独
■スタッフ
監督・製作: ヴィム・ヴェンダース Wim Wenders
製作: ディーバック・ネイヤー Deepak Nayar/ニコラス・クライン Nicholas Klein
脚本: ニコラス・クライン Nicholas Klein
撮影: パスカル・ラボー Pascal Rabaud
音楽: ライ・クーダー Ry Cooder
出演: ビル・プルマン Bill Pullman/アンディ・マクダウェル Andie MacDowell/ガブリエル・バーン Gabriel Byrne/ローレン・ディーン Loren Dean/トレイシー・リンド Traci Lind/ウド・キア Udo Kier/サム・フラー Sam Fuller
■感想
タイトルからハリウッド映画のサスペンス映画を予想して観た人はものすごくつまらなかっただろう。そうでない人でも、よほど物好きじゃないと面白くないだろう。アイディアは良いけど、未消化だとか何とか言われそう。
ハリウッドのバイオレンス映画への皮肉なんだろうか。わざわざドイツ資本でアメリカまで来てアメリカを舞台にアメリカの俳優を使う。ビル・プルマンは「インディペンデンス・デイ」で当時大統領だったビル・クリントンを狂喜乱舞させた大統領役というところで、まぁ、これぞまさにアメリカ人俳優。アンディ・マクダウェルは違うけど、単に趣味だったということか。
主人公秘密裏に都市を監視するシステムを作っている技師からFBIの機密文書が送られて来たことで命を狙われる大物映画プロデューサー。彼は自分が何故狙われているのかは探るけど、それ以外に危険そうな行動をとらない。わけのわからない事件に巻き込まれた主人公は、危険を省みず敵と対決するもんだけどね、普通。そいで必ずペアになってくれる女がいたりして…。そういうのをあえて避けているところが嫌みったらしくて、私は好きだ。
ホッパーの「ナイト・ホークス」の絵がバッチリ組み込まれていたりして、おいしい映像もあるし、それなりに楽しめたが、まぁ、すごく面白かったとは言い難いだろう。
2002年1月17日
■原題:Music of chance
■著者:ポール・オースター著,柴田元幸訳
■書誌事項:新潮社 2001.11.1 ISBN4-10-245106-4
■感想
おそらく単行本が刊行された頃に読んだのだろうが、買った記憶がまるでなかった。読み始めたらすぐ気づいたけど。デビュー作からしっかり読んだんだけど、「ルル・オン・ザ・ブリッジ」でがっかりして以来、それ以降の刊行物は未読だった。新刊が評判なのでまたさかのぼって読んでみようと思ったのだが、なんかそうでもなかったみたいだなぁ。
感想はポール・オースターのページを作ってそこに書くことにした。
2002年1月15日
■Buena Vista Social Club, 1999 独/米/仏/キューバ
■スタッフ
監督:ヴィム・ヴェンダース Wim Wenders
製作: ライ・クーダー Ry Cooder, ジェリー・ボーイズ
撮影:ロビー・ミュラー Robby Müller
出演:イブライム・フェレール Ibrahim Ferrer/ルベーン・ゴンザレス Rubén González/オマーラ・ポルトゥオンド Omara Portuondo/エリアデス・オチョア Eliades Ochoa/ライ・クーダー Ry Cooder/ コンパイ・セグンド Compay Segundo/オルランド”カチャイート”ロペス Orlando 'Cahaito' López/アマディート・バルデス Amadito Valdés/マヌエル”エル・グアヒーロ”ミラバール Manuel 'El Guajiro' Mirabal/バルバリート・トーレス Barbarito Torres/ピオ・レイバPio Leyva/マヌエル”プンティジータ”リセア Manuel 'Puntillita' Licea/フアン・デ・マルコス・ゴンサレス Juan de Marcos González
■感想
キューバ音楽に魅せられたヴェンダースとライ・クーダーが作った音楽ドキュメンタリー。1997年、ライ・クーダーがキューバの老音楽家たちと録音したアルバム「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」は、世界中で100万枚以上のセールを記録し、1997年のグラミー賞を受賞した。2年後、ヴェンダースを伴いライ・クーダーはキューバに戻る。ハバナの情緒豊かな街並みとスタジオ録音風景、アムステルダムでのコンサート、ニューヨーク・カーネギーホールでのステージを織り交ぜ、老ミュージシャンたちのインタビューが収録されている。
ヴェンダースは「夢の涯てまでも」でどうにもこうにも終わったな、という印象が強く、その後の作品は観ていなかったが、ドキュメンタリーなので少し安心し、話題作だったので、とりあえず見ておこうかと思った。
とにかくおじいちゃんたちの元気なこと。この映画は音楽がメインなので、あえて映像に触れるとすれば、全編ソニーのデジカムで撮られていることが特徴かと思う。非常にクリアな映像で、「都市と都市とモードのビデオノート」を撮った人からしたら、当然の選択なのかもしれないが、もったいない。ロビー・ミュラーを使った意味があまりないかも…と思いつつ、織り込まれるハバナの風景に見入る。フィルムで見たかったなぁ。
あまりワールド・ミュージックを聞き慣れていなくても、この映画で充分キューバ音楽が堪能できる。CDだけで聞くより、多分ずっといいだろうと思う。
それにしても、ハバナの海の荒さに驚いた。あれではうかうかすると車ごと波にもっていかれる。レイナルド・アレナスを読んで来て、ハバナの海ってどんな海なんだろうと思っていた。あの悲惨なキューバもまた事実で、この明るいキューバもまた事実なのだろう。
2002年1月10日
![]() His choice of shoes is ill 2001.12.27 | ![]() Midnight Dejavu〜色彩のブルース〜 [MAXI] 2001.11.28 |
![]() 満ち汐のロマンス 2001.5.30 | ![]() 色彩のブルース 2000.9.2 |
久しぶりにお気に入りのバンドを見つけた。テレビほんの10秒聞いただけだが、「これだ!」と思った。間違いない。「エゴ・ラッピン」と読む。男女二人組だそうだが、バンドがしっかりしてるんだろうな。活動歴は意外と長いが、関西を中心にインディーズで活動。最近「色彩のブルース」がチャート・インして知られるようになったようだ。
かなり演奏はうまい方だと思う。しっかりジャズなんだけど、なんか違う。声がやっぱり変。この変さ加減が気持ちいい。ライブが見たいが、ライブハウスでがっちり聞くより、やっぱり人と話ながら、飲みながらの方が合いそう。
ジャケットが気持ち悪くて、カッコイイ。小澄源太というアーティストの手になるものだが、久しぶりに「ジャケット・アート」を見た気がする。
アルバムというよりミニアルバムが多い人たちだ。↓で全部ではないが、とりあえず私の気に入った4枚をオススメする。
2002年1月 6日
■原題:Yawar Fiesta
■著者:ホセ・マリア・アルゲダス著,杉山晃訳
■書誌事項:現代企画室 1998.4.1 ISBN4-7738971-9(シリーズ 越境の文学・文学の越境)
■感想
ペルーの作家アルゲダス(1911〜1969)の初期作品。翻訳されている点数は少なく、あとは「深い川」くらいなもので、日本では有名な作家とは言い難いが、ラテンアメリカでは独自のポジションをもち、多くの作家に尊敬されている。
「血の祭り」とはペルーの山岳部、アンデスの町ブキオで繰り広げられるインディオたちの村単位での闘牛を中心としたお祭り。村の代表が村から連れて来た牛と闘い、最後はダイナマイトで爆破するという激しい闘牛である。これを西洋文明から見て野蛮と決めつけて政府が禁止したことから様々な対立が引き起こされる。
白人でありながら、インディオの中で育ったアルゲダスがアイデンティティの問題で苦悩していたであろうことは容易に想像がつく。そのため、本書では白人=悪人、インディオ=善人という単純な構図になっていない。役人と土着の地主というように白人の中にも対立があり、村ごとのインディオの中にも対立がある。その上混血も入るため、関係がまた複雑になっている。地元に残った混血と首都リマに出て行って啓蒙されて来た混血といった違いもある。人々が様々な対立がせめぎ合っている様子が描かれる。
そもそもここで行われいている闘牛が元々インディオたちの間にあったものではなく、スペインから入った闘牛が変化したものである。プロの闘牛士でなければ野蛮、というのもおかしな話で、西洋文明が野蛮と否定した文化がインディオの間に根付いているところが逆説的で興味深い。
インディオの話はたいていもの悲しい。本書も例外でなく、インディオの吹く角笛があまりにもの悲しく、白人たちがいらつく場面がある。インディオたちの伝承に詳しい作家らしく、そこここに彼らの歌がちりばめられていて、これももの悲しさを更に引き立たせる。しかし、牛を捕まえる場面や実際の闘牛の場面などは力強さを感じ、全体として非常に重みのある作品になっている。