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2011年3月

2011年3月 4日

ラテンアメリカ十大小説

ラテンアメリカ十大小説こんな良い本を読んでからラテンアメリカ文学に入っていける読者は幸運だ。新書は新しい知識を得ようとするときに必要なもの。その道のプロが何の知識もない人に、ていねいに概略を教えるものだ。知らない人にものを説明するほど、難しいものはない。その道の専門家が平易な文章で素人に向けて書く。とてもレベルの高い仕事だ。私も筒井康隆の新書(多分「本の森の狩人」)でラテンアメリカ文学を知った。新書は新しい読者獲得のための大切な仕事だ。

巻末に主要作品リストが添えられていた。白状すると、コルタサルが半分くらい、その前のボルヘス、カルペンティエル、アストゥリアスは壊滅状態なんである。でも、ガボ以後は全部読んでる。あ、違った。フェンテスの「聖域」と「脱皮」はまだだった。積読のまま忘れていた。

ボルヘスは短編ばかりなので、手を出さなかっただけのこと。基本、自分は長編が好みなので。カルペンティエルとアストゥリアスは長編だから当然手を出して、途中で挫折してしまいました。すみません...。私にはちょっと口調が堅すぎたかなというか難解だったかな...。コルタサルは短編は何とか読んだが、「石蹴り遊び」は第三部でやはり挫折...。

本書を読むと自分が「ブーム」の後からしか手をつけていないのがわかる。自分はリョサが一番好きで、多分次くらいにガボが来るのだろうけど、本当に親しみを感じているのはマヌエル・プイグ。プイグの何が良いって、繊細で優しいところ。腐女子を名乗れるほどにはBLに手を出していないが、女性がゲイを好むのはある意味では当然だ。男性原理から離れた世界を親しく感じるのは不思議ではない。そのわりに自分は女性作家をほとんど読まない。あまりべったりされるのもイヤなんだろう。だからトーベ・ヤンソンとかガードルード・スタインが好きなのかもしれない。今気がついた。

カルロス・フエンテス「我らが大地」だけ邦訳が出ていない。企画としてはあるらしいが、スペイン語がたいへん難しいのだそうな。フェンテスは透明感があるというか、おどろおどろしくないというか、ガボやリョサほどの暑苦しくはないけど、決して読みづらくはない。もう少し読んでみた方が良い気がしている。ところでフエンテスなのかフェンテスなのか、表記が結構別れてるなぁ。ジョサ/リョサほどではないけれど。ドノソも好きだ。どろどろ妄想系とブルジョア系の差が激しくていい。

イサベル・アジェンデが「十大小説」に入っているのが若干疑問だが、「精霊たちの家」だけは確かに面白かった。「エヴァ・ルーナ」も悪くなかったし「パウラ」は別の意味で興味深い。しかし、それ以後が厳しかった。児童文学に走ったのは正解でしょう。やはりポスト・ブームと言えばこの人になってしまうのかな?ボラーニョとか...新書に載るほどの一般性はないのだろうか?

■書誌事項
著者:木村榮一著
書誌事項:岩波書店 2011.2.18 192p ISBN978-4-00-431296-3(岩波新書)

■目次
序──物語と想像力
1 ホルヘ・ルイス・ボルヘス『エル・アレフ』──記憶の人、書物の人
2 アレホ・カルペンティエル『失われた足跡』──魔術的な時間
3 ミゲル・アンヘル・アストゥリアス『大統領閣下』──インディオの神話と独裁者
4 フリオ・コルタサル『石蹴り』──夢と無意識
5 ガブリエル・ガルシア=マルケス『百年の孤独』──物語の力
6 カルロス・フエンテス『我らが大地』──断絶した歴史の上に
7 マリオ・バルガス=リョサ『緑の家』──騎士道物語の継承者
8 ホセ・ドノソ『夜のみだらな鳥』──妄想の闇
9 マヌエル・プイグ『蜘蛛女のキス』──映画への夢
10 イサベル・アジェンデ『精霊たちの家』──ブームが過ぎた後に

★主な作品リスト
"邦訳のあるもののみ,原著の刊行年順に示す。複数回訳書が刊行きれている作品については、出来るだけ入手しやすいと思われる版を挙げた。"というリストが巻末にあったので参考のためデータ化しておく。出来るだけ入手しやすい版という点を一部修正。上下巻あるものは上巻にだけリンクを貼った。

■ホルヘ・ルイス・ボルヘス
「論議」牛島信明訳,国書刊行会,2000
「永遠の歴史」土岐恒二訳,ちくま学芸文庫,2001
「伝奇集」鼓直訳,岩波文庫,1993
「エル・アレフ」木村榮一訳,平凡社,2005
「続審問」中村健二訳,岩波文庫,2009
「創造者」鼓直訳,岩波文庫,2009
「砂の本」篠田ー士訳,集英社文庫,1995
「ボルヘス,オラル」木村榮一訳,水声社,1987

■アレホ・カルペンティエル
「エクエ・ヤンパ・オー」平田渡訳,関西大学出版部,2002
「この世の王国」木村榮一・平田渡訳,水声社 1992(元ではサンリオ文庫だが入手しやすいのはこちら)
「失われた足跡」牛島信明訳,集英社文庫,1994
「時との戦い」鼓直訳,国書刊行会,1977
「光の世紀」杉浦勉訳,書肆風の薔薇,1990
「春の祭典」柳原孝敦訳,国書刊行会,2001
「ハープと影」牛島信明訳,新潮社,1984

■ミゲル・アンヘル・アストゥリアス
「グアテマラ伝説集」牛島信明訳,岩波文庫,2009
「大統領閣下」内田吉彦訳,集英社,1990

■フリオ・コルタサル
「遊戯の終り」木村榮一訳,国書刊行会,1990
「秘密の武器」世界幻想文学大系30,木村榮一訳,国書刊行会,1981
「石蹴り遊び」上・下,土岐恒二訳,集英社文庫,1995
「すべての火は火」木村榮一訳,水声社,1993
「愛しのグレンダ」野谷文昭訳,岩波書店,2008
「通りすがりの男」木村榮一ほか訳,現代企画室,1992
「コルタサル短篇集 悪魔の誕・追い求める男 他八篇」木村榮一訳,岩波文庫,1992

■ガブリエル・ガルシア=マルケス
「百年の孤独」鼓直訳,新潮社,2006
「族長の秋」鼓直訳,新潮社,2007
「予告された殺人の記録」野谷文昭訳,新潮社,2008
「コレラの時代の愛」木村祭一訳,新潮社,2006
「迷宮の将軍」木村榮一訳,新潮社,2007
「生きて,語り伝える」旦敬介訳,新潮社,2009
「エレンデイラ」鼓直・木村榮一訳,ちくま文庫,1988

■カルロス・フエンテス
「フェンテス短篇集 アウラ・純な魂 他四篇」木村榮一訳,岩波文庫,1995
「アルテミオ・クルスの死」木村榮一訳,新潮社,1985
「聖域」木村榮一訳,国書刊行会,1978
「脱皮」内田吉彦訳,集英社,1984
「遠い家族」堀内研二訳,現代企画室,1992
「老いぼれグリンゴ」世界文学金集II-08,安藤哲行訳,河出書房新社,2009
「セルバンテスまたは読みの批判」牛島信明訳,水戸社,1991
「埋められた鏡」古賀林幸訳,中央公論社,1996

■マリオ・バルガス=リョサ
「都会と犬ども」杉山晃訳,新潮社,2010(1987修正)
「緑の家」上・下,木村榮一訳,岩波文庫,2010
「ラ・カテドラルでの対話」桑名一博・野谷文昭訳,集英社,1984
「フリアとシナリオライター」野谷文昭訳,国書刊行会,2004
「世界終末戦争」旦敬介訳,新潮社,2010(1988修正)
「誰がパロミノ・モレーロを殺したか」鼓直訳,現代企画室,1992
「密林の語り部」西村英一郎訳,新潮社,1994
「官能の夢――ドン・リゴベルトの手帖」西村英一郎訳,マガジンハウス,1999
「チボの狂宴」八重樫克彦・由貴子訳,作品社,2010
「楽園への道」世界文学全集I-02,田村さと子訳,河出書房新社,2008
「果てしなき饗宴――フロベールと「ボヴァリ一夫人」」工藤庸子訳,筑摩書房,1988
「嘘から出たまこと」寺尾隆吉訳,現代企画室,2010
「若い小説家に宛てた手紙」木村築ー訳,新潮社,2000

■ホセ・ドノソ
「この日曜日」筑摩世界文学大系83,内田吉彦訳,筑摩書房,1976
「夜のみだらな鳥」鼓直訳,集英社,1984
「三つのブルジョワ物語」木村榮一訳,集英社,1994
「隣りの庭」野谷文昭・野谷良子訳,現代企画室,1996
「ラテンアメリカ文学のブーム」内田吉彦訳,東海大学出版会,1983

■マヌエル・プイグ
「リタ・ヘイワースの背信」内田吉彦訳,国書刊行会,1990(1980修正)
「赤い唇」野谷文昭訳,集英社文庫,1994
「ブエノスアイレス事件」鼓直訳,白水Uブックス,1984
「蜘妹女のキス」野谷文昭訳,集英社文庫,1988
「天使の恥部」安藤哲行訳,国書刊行会,1989
「このページを読む者に永遠の呪いあれ」木村榮一訳,現代企画室,1990
「南国に日は落ちて」野谷文昭訳,集英社,1996

■イサベル・アジェンデ
「精霊たちの家」世界文学全集II-07,木村榮一訳,河出書房新社,2009
「エパ・ルーナ」木村榮一,新谷美紀子訳,国書刊行会,1994
「エバ・ルーナのお話」木村榮一・窪田典子訳,国書刊行会,1995
「天使の運命」上・下,木村裕美訳,PHP研究所,2004
「パウラ,水泡なすもろき命」管啓次郎訳,国書刊行会,2002

■その他の作家たち
ファン・ルルフォ「燃える平原」杉山晃訳,書肆風の薔薇,1990
「ペドロ・パラモ」杉山晃・増田義郎訳,岩波文庫,1992
ロドリゴ・レイローサ「その時は殺され......」杉山晃訳,現代企画室,2000
ロベルト・ボラーニョ「通話」松本健二訳,白水社エクス・リブリス,2009
「野生の探偵たち」上・下,柳原孝敦・松本健二訳,白水社エクス・リブリス,2010
オラシオ・カステジャーノス・モヤ「崩壊」寺尾隆吉訳,現代企画室,2009

■本書で言及した文献
ウラジミル・ウェイドレ「芸術の運命アリスタイオスの蜜蜂たち」前田敬作・飛鷹節訳,新潮社,1975
小川洋子「博士の愛した数式」新潮文庫,2005
開高健「オーパ!」集英社文庫,1981
開高健「才覚の人 西鶴」「開高健全集」第20巻,新潮社,1993
ミラン・クンデラ「小説の精神」金井裕・浅野敏夫訳,法政大学出版局,1990
司馬遼太郎「街道をゆく 愛蘭土紀行」I・II,朝日文庫,1993
バァナァド・ショウ「思想の達し得る限り」相良徳三訳,岩波文庫,1931
ジョナサン・スウィフト「ガリヴァ旅行記」中野好夫訳,新潮文庫,1951
ジョージ・スタイナー「脱領域の知性――文学言語革命論集」由良君美ほか訳,河出書房新社,1972
種村季弘「魔術的リアリズム――メランコリーの芸術」ちくま学芸文庫,2010
新倉俊一「ヨーロッパ中世人の世界」ちくま学芸文庫,1998
バーナード・バーゴンジー「現代小説の世界」鈴木幸夫・紺野耕一訳,研究社,1975
フロイト「夢判断」上・下,高橋義孝訳,新潮文庫,1969
メダルト・ボス「夢」三好郁男ほか訳,みすず書房,1970
ホメロス「オデュッセイア」上・下,松平千秋訳,岩波文庫,1994
ハンス・マイヤーホフ「現代文学と時間」志賀謙・行吉邦輔訳,研究社,1974
クロード・エドモンド・マニー「アメリカ小説時代」三輪秀彦訳,フィルムアート社,1983

2011年3月 3日

ポータブル文学小史/エンリーケ・ビラ=マタス

ポータブル文学小史秘密結社シャンディと聞いてスターンの「トリストラム・シャンディ」をパっと思い浮かぶくらいのことは出来ても、この小説に出てくる登場人物や文学的な概念をすべて理解できるはずがない。でも私にもここに登場する文学史にまつわるイメージや語彙にドキドキすることが出来る。そんな「ポータブル文学小史」は「バートルビーと仲間たち」のエンリーケ・ビラ=マタスの翻訳だ。なんと言っても博覧強記という言葉がぴったりなビラ=マタスのこと、相当深い知識を持つ人しかわからないのではないだろうか?

私にわかるキーワードは、例えば、ジョージア・オキーフやポーラ・ネグリが自らを指して言う「宿命の女」(自分で自分のことを宿命の女と呼ぶパターンは見たことがない)や、プラハに行ったとたんに登場するオドラデク(カフカの「父の気がかり」)といったところ。「独身者の機械」もいい言葉だ。デュシャンの友人ミッシェル・カルージュの著書の名だったりする。

登場人物はおおむね同時代人なのだが、突然マリリン・モンローの名があがってきたり、どこからがフィクションでどこからがノンフィクションなのか、「バートルビー...」同様よくわからない。とりあえず全部フィクションと思っておいて読んでいき、後から本当のことを確認したいと思った。誰か解説書を出して欲しい(他力本願)。最後に出てくる書誌が本当っぽいので、きっと全部読み込めばわかるのだろうけれど、とても無理。

つまり、彼は非の打ち所のないシャンディだった。典型的な社交好きの教養人で、個々の特異性を蔑視することなく、国境を越えた国際的な文化を、両大戦間に生まれた美しい理想であった広々とした地平線と大いなる起源を持つ世界を求めていた。(p54)

なるほどね。デジタルグッズの世界では「ポータブル」という言葉はもはや使われなくなっているようだ。それは「携帯する」「持ち運べる」ことがあまりにも当たり前になってしまったからだろうか。「ポータブル」って良い意味での軽さが感じられて、かつ多少古めかしいところも好きだ。

サイン入り200部限定「特装版ポータブル文学小史」16,800円の豪華版が出るそうだけれど、これは本当に好事家向け。将来価値が出るかもしれない。

著者:エンリーケ・ビラ=マタス著,木村榮一訳
書誌事項:平凡社 2011.2.14 188p ISBN978-4-582-83445-1
原題:Historia abreviada de la literatura portátil, Enrique Vila-Matas, 1985


おまけ:シャンディ名鑑
理解を少しでも深めようと思い、巻末にあったシャンディ名鑑をデジタル化・横書き化してWikiにリンクを貼り、一通り読みました。再読するときはリンクをクリックしながら読めばいいかなと。

アサーニャ,マヌエル(Manuel Azaña)1880~1940年。スペインの政治家。
アポリネール,ギヨーム(Guillaume Apollinaire)1880~1918年。フランスの詩人。
アルトー,アントナン(Antonin Artaud)1896~1948年。フランスの詩人・演劇人。
アルプ,ハンス(Hans Arp)1887~1966年。アルザスの彫刻家・詩人。
アルフォンソ13世(Alfonso XIII) 1886~1931年。スペイン国王。
アルベルティ,ラファエル(Rafael Alberti)1902~99年。スペインの詩人。
アレンズパーグ,ウォルター(Walter Arensberg)1878~1954年。アメリカの美術品蒐集家。
アロンソ,ダマソ((Dámaso Alonso)1898~1990年。スペインの詩人。
アンタイル,ジョージ(George Antheil)1900~59年。アメリカの作曲家。
ヴァグナー,リヒャルト(Richard Wagner) 1811~83年。ドイツの作曲家。
ヴァルザー,ローベルト(Robert Walser)1878~1956年。スイスのドイツ語作家。
ヴァレーズ,エドガー(Edgar Varèse)1883~1965年。アメリカの作曲家。
ヴァレリー,ポール(Paul Valéry)1871~1945年。フランスの詩人・小説家・評論家。
ヴァンセット伯爵夫人(Condesa de Vansept) おそらく架空の人物。
ウィドブロ,ピセンテ(Vicente Huidobro)1893~1948年。チリの詩人。
ヴィルジリオ(Virgilio)おそらく架空の人物。
ウェルズ,H・G(H.G.Wells)1866~1946年。イギリスの小説家・批評家。
ヴェルテル(Werther)ゲーテ『若きヴェルテルの悩み』の主人公。
エヴァリング,ジェルメーヌ(Germaine Everling)生没年不詳。フランシス・ピカビアの重要なパートナーだった女性。
エジソン,トーマス(Thomas Edison)1847~1931年。アメリカの発明家。
エリオット,T・S(T.S. Eliot)1888~1965年。イギリスの詩人。
エルンスト,マックス(Max Ernst)1891~1976年。ドイツで生まれフランスで活躍した画家。
オキーフ,ジョージア(Georgia O'Keeffe)18871 1986年。アメリカの画家・彫刻家。
オレンゴ,カルラ(Carla Orengo)おそらく架空の人物。
カフカ,フランツ(Franz Kafka)1883~1924年。チェコのドイツ語作家。
ガルシーア・ロルカ,フェデリーコ(Federico García Lorca)1898~1936年。スペインの詩人。
カーロス・ウィリアムズ,ウィリアム(William Carlos Williams)1883~1963年。アメリカの詩人・小説家。
ギャツピィ(Gatzby)フィッツジェラルド『偉大なギャツビィ』の主人公。
キャネル,スキップ(Skip Canell)おそらく架空の人物。
クウィントゥス・ウァレリウス(Quintus Valerius)生没年不詳。紀元前239年にローマ帝国の執政官を務めた人物。
クライスト,ハインリッヒ・フォン(Heinrich von Kleist)1777~1811年。ドイツの劇作家。晩年,失意のうちに人妻とヴアンゼー湖畔でピストル自殺した。
クラウス,カール(Karl Kraus)1874~1936年。オーストリアの批評家・詩人・劇作家。
クラーク,エドワード(Edward Clark)1811~82年。ミシンの製造販売で有名なシンガー社の弁護士兼副社長。
グリス,フアン(Juan Gris)1887~1927年。スペインの画家。
クルプスカヤ,ナデジダ(Nadezhda Krupskaya)1869~1939年。ロシアの政治家。レーニンの妻。
クレー,パウル(Paul Klee)1879~1940年。スイスで生まれドイツで活躍した画家。
クローデル,ポール(Paul Claudel)1868~1955年。フランスの劇作家・詩人・外交官。元駐日大使。
クローリー,アレイスター(Aleister Crowley)1875~1947年。イギリスの神秘主義者・魔術師。
クロンベル夕,へルマン(Hermann Kromberg)おそらく架空の人物。
ゲーテ,ヨハン・ヴォルフガング・フォン(Johann Wolfgang von Geothe)1749~1832年。ドイツの作家・政治家。
コクトー,ジャン(Jean Cocteau)1889~1963年。フランスの詩人・芸術家。
ゴーディエ=ブジェスカ,アンリ(Henri Gaudier-Brzeska)1891~1915年 フランスの彫刻家。
コノリー,シリル(Cyril Connolly)1903~74年。イギリスの批評家。
コレット(Colette)1873~1954年。フランスの作家。
ゴンゴラ,ルイス・デ(Luis de Góngora)1561~1627年,スペインの詩人。
ゴンブローヴィッチ,ヴィトルド(Witold Gombrowicz)1904~69年。ポーランドの小説家・劇作家。
サヴィーニオ,アルベルト(Alberto Savinio)1891~1952年。イタリアの作家・画家。
サティ,エリック(Erik Satie)1866~1925年。ブランスの作曲家。
サンドラール,ブレーズ(Blaise Cendrars)1887~1961年。スイス出身のフランス語詩人・小説家。
サンドラール,ミリアム(Miriam Cendrars)プレーズ・サンドラールの娘。父の伝記を書いている。
ジェイムズ,へンリー(Henry James)1843~1916年。アメリカで生まれイギリスで活躍した作家。
シャガール,マルク(Marc Chagal)1887~1985年。ロシアで生まれフランスで活躍した画家。
ジャコメッティ,アルベルト(Alberto Giacometti)1901~66年。スイスで生まれフランスで活躍した彫刻家。
シャトーブリアン,フランソワ=ルネ・ド(rançois-René de Chateaubriand)1768~1848年。フランスの政治家・作家。
シュヴィッタース,クルト(Kurt Schwitters)1887~1948年。ドイツの芸術家。
シュトロハイム,エーリッヒ・フォン(Erich Von Stroheim)1885~1957年。アメリカの映画監督。
シュルツ,ブルーノ(Bruno Schulz)1892~1942年。ポーランドの作家・画家。
ジョイス,ジェイムズ(James Joyce)1882~1941年。アイルランドの小説家。
ショーベンハウアー,アルトゥル(Arthur Schopenhauer)1788~1860年。ドイツの哲学者。
ショーレム,ゲラシム(Gershom Scholem)18971982年。イスラエルの宗教史学者。
ジョンソン,ロパート(Robert Johnson)1911~38年。アメリカのブルースマンと同一人物かどうかは不明。
ズヴェーヴォ,イターロ(Italo Svevo)1861~1928年。イタリアの作家。
スターン,ロレンス(Laurence Sterne)1713~68年。イギリスの作家・牧師。
スレダ,ヤコボ(Jacobo Sureda)1901~35年。スペインの画家・詩人。
ゼニット,ステファン(Stephan Zenith)おそらく架空の人物。
セリーヌ,ルイ=フェルディナン(Louis-Ferdinand Céline)1894~1961年。フランスの作家。
セルナ,ラモン・ゴメス・デ・ラ((Ramón Gómez de la Serna)1888~1963年。スペインの作家。
セルヌーダ,ルイス(Luis Cernuda)1902~63年。スペインの詩人。
タイフォン,アンソニー(Anthony Typhon)おそらく架空の人物。
ダリ,サルパドール(Salvador Dalí)1904~89年。スペインの画家。
チャパス,フアン(Juan Chabás) 1910~54年。スペインの詩人。
ツァラ,トリスタン(Tristan Tzara)1896~1963年。フランスの詩人・ダダイズムの祖。
テイゲ,カレル(Karel Teige)1900~51年。チェコの芸術家・批評家。
ティラナ,エルサ(Elsa Tirana)本文中ではクレオ・メロードのペンネームとされているが,そのような事実はないと思われる→メロード,クレオ・ド
デュシャン,マルセル(Marcel Duchamp,)1887~1968年。フランスの画家。
デ・ラ・メア,ウォルター(Walter De La Mare)1873~1956年。イギリスの詩人・小説家。
ドーマル,ルネ(René Daumal)1908~44年。フランスの詩人・小説家・哲学者。
ドラキュラ伯爵(Drachula)いわずと知れた人物。
ナポレオン・ボナパルト(Napoléon Bonaparte)1769~1821年。フランスの軍人・第一帝政の皇帝。
ニーチェ,フリードリッヒ(Friedrich Nietzsche)1844~1900年。ドイツの哲学者。
ネグリ,ポーラ(Pola Negri)1894~1987年。無声映画時代に活躍したポーランド出身の女優。
ネズヴァル,ヴィーチェスラフ(Vitězslav Nezval)1900~58年。チェコの詩人。
パウンド,エズラ(Ezra Pound)1885~1972年。アメリカの詩人・批評家。
パートルビー(Bartlebe)メルヴィルの小説の登場人物。ある日突然筆を折ってしまう作家について用いられることがある。ピラ=マタス『パートルピーと仲間たち』参照。
バリェッホ,セサル(César Vallejo)1892~1938年。ベルーの詩人。
ピエドマ,ハイメ・ヒル・デ(Jaime Gil de Biedma)1929~90年。スペインの詩人・エッセイスト。
ピカピア,フランシス(Francis Picabia)1879~1953年。フランスの詩人・画家。
ビーチ,シルヴィア(Sylvia Beach)1887~1962年。アメリカで生まれフランスで活躍した書店主。
ピム,アーサー・ゴードン(Arthur Gordon Pym)ポーの小説の主人公。
フィッツジェラルド,スコット(Scott Fitzgerald)1896~1940年。アメリカの小説家。
フェルメール,ヨハネス(Johannes Vermeer)1632~75年。オランダの画家。
フェレンツ,サライ(Szalay Ferenc)フェレンツもサライもハンガリーによくある氏名だが,おそらく架空の人物。
プッチーニ,ジャコモ(Giacomo Puccini)1858~1924年。イタリアの作曲家。
プラードス,エミリオ(Emilio Prado)1899~1962年。スペインの詩人。
プラトン(Platon)前227~前347年。古代ギリシャの哲学者。
プランショ,モーリス(Maurice Blancho)1907~2003年。フランスの作家・批評家。
ブルースト,マルセル(Marcel Proust)1871~1922年。フランスの小説家。
ブルトン,アンドレ(André Breton)1896~1966年。フランスの詩人・シュルレアリスムの領袖。
プロッホ,ヘルマン(Hermann Broch)1886~1951年。オーストリアの作家。
ベーカー,ジョセフィン(Josephine Baker)1906~75年。アメリカで生まれフランスで活躍したダンサー・歌手。
ベソア,フェルナンド(Fernando Pessoa)1888~1935年。ポルトガルの詩人。
ベールイ,アンドレイ(Andrei Belyi)1880~1934年。ロシア=ソ連の詩人・小説家。
ベルガミン,ホセ(José Bergamín)1895~1983年。スペインの詩人。
ベルナット夫人(Pernath)おそらく架空の人物。
ベンヤミン,ヴァルター(Walter Benjamin)1892~1940年。ドイツの思想家。
ボカンヘル,ガブリエル(Gabriel Bocángel)1603~58年。スペインの詩人・劇作家。
ボカード,ベルタ(Berra Bocado)おそらく架空の人物。
ボードレール,シャルル(Charles Baudelaire)1811~67年。フランスの詩人。
ホラン,ウラジーミル(Vladimir Holan)1905~80年。チェコの詩人。
ポルヘス,ホルへ・ルイス(Jorge Luis Borges)1899~1986年。アルゼンチンの小説家・詩人。
マイリンク,グスタフ(Gustav Meyrink)1868~1932年。オーストリアの小説家。
マリネッティ,フィリッポ・トンマーゾ(Filippo Tommaso Marinetti)1876~1944年。イタリアの詩人・未来派の創始者。
マルー,リタ(Rita Malú)おそらく架空の人物。
マン,トーマス(Thomas Mann)1875~1955年。ドイツの小説家。
マンデリシュターム,オーシップ(Osip Mandelshtam)1891~1938年。ロシア=ソ連の詩人。
マン・レイ(Man Ray)1890~1976年。アメリカの写真家・画家・彫刻家。
ミショー,アンリ()1899~1984年。ベルギーの詩人・画家。
ムディヴァニ王子(Serge Mdivani)1903~36年。グルジアで生まれ。パリの社交界でグルジアの王子を自称していた。
メルシーナ〔メリュジーヌ〕(Melusine)フランスの民間伝承上の蛇女。ゲーテ『ヴィルヘルム・マイスター』に登場する絶世の美女。
メロード,クレオ・ド(Cléo de Mérode)1875~1966年。オーストリア出身のバレリーナ。
モーラン,ポール(Paul Morand)1888~1976年。フランスの小説家。
モンロー,マリリン(Marilyn Monroe)1926~62年。アメリカの映画女優。
ラカン,ジャック(Jacques Lacan)1901~81年。フランスの精神分析学者。
ラルボー,ヴァレリー(Valery Larbaud)1881~1957年。フランスの小説家・批評家。
ランボー,アルチュール(Arthur Rimbaud)1854~91年。フランスの詩人。
リウィウス(Livius)前59~後17年。ローマの歴史家。
リゴー,ジャック(Jacques Rigaut)1899~1929年。フランスのダダイスト。
リトパルスキー,ヴェルナー(Werner Litbarski)おそらく架空の人物。
ルーセル,レーモン(Raymond Roussel)1877~1933年。フランスの作家。
ルルス,ライムンドゥス(Raimundus Lullus)1235~1316年。カタルーニャの神秘的哲学者。
レジナ,マヌエル(Manuel Regina)おそらく架空の人物。
レーニン,ウラジーミル・イリイチ・ウリヤノフ(Vladimir Il'itch Lenin)1870~1924年。ロシアの革命家・政治学者。
レルガルシュ(Lelgoualch)ルーセル『アフリカの印象』の登場人物。
ローズ・セラヴィ(Rose Sélavy)マルセル・デュシャンの創作した人物。