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戯曲

あの、愛の一群たち

初出:『新劇』1980年8月号
収録:「あらかじめ失われた恋人たちよ―劇篇」p5~82 講談社 1981.10.12
「清水邦夫全仕事1958~1980下」p393~441 河出書房新社 1992.6.20

受賞:テアトロ演劇賞(第8回・1980年度)

【上演データ】
1980(昭55)年7月12日~22日
木冬社第6回公演
会場:紀伊國屋ホール
/7月25日兵庫県尼崎市ピッコロシアター
演出:秋浜悟史
美術:安部真知
照明:日高勝彦
音響:深川定次
作曲:池辺晋一郎
出演:岸田今日子(ぎん)/吉行和子(しのぶ)/松本典子(ふね)/鈴木弘一/安部玉絵/新野加代子/人村明美/平松ひとみ/他
【あらすじ】
 中年の女が15年ぶりに日本海沿いの故郷へ帰ってきた。薄暗い郷土資料館を訪れた彼女は、精神病院を抜け出してきたという若い女と、その姉夫婦にであったことから、虚構とも現実ともつかぬ関係に巻き込まれていく。そして次第に3人の女達の過去があぶり出されていく…。
【コメント】
 1978年12月の「火のようにさみしい姉がいて」以後木冬社は翌年9月にかつての戯曲「朝に死す」を上演しましたが、その次がこの作品になります。清水作品には欠かせない女優3人が揃い踏みしましたが、実は3人セットは2回しかないんです。1人で、あるいは2人でセットはよくあるんですけど。上記の配役、実は想像です。外れてないと思います。あてて書いてるとしか思えないくらい、ぴったりなんです。舞台が頭の中にくっきりと浮かび上がります。
 三人の女達それぞれが抱える幻の男達の影が一致してくる過程のうねりが壮絶でした。吉行和子は無邪気に、岸田今日子はねっとりと、松本典子はしっかりしているように見える。でも三人とも裏に狂気を秘めている、そんな怖い女達のお話でした。
 


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