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2005年7月11日

シャーロック・ホームズの冒険 第14巻

シャーロックホームズの冒険 第14巻スペシャル:バスカビル家の犬 The Hound of Baskerville
■スタッフ
監督:ピーター・ハモンド
脚本:ジェレミー・ポール
ゲスト:クリストファー・タボリ(山本圭)/ネイル・ダンカン(大和田伸也)

これは恐ろしい危険な仕事となるだろう
―君が無事にベーカー街に戻ってくることを、僕は心から祈っているよ…

■紹介
ダートムアの旧家バスカビル家には代々悪魔の犬の祟りがあるという言い伝えがあり、館の主サー・チャールズがそれを暗示するかのように謎の死を遂げる。アメリカにいる甥のサー・ヘンリーが家督を継ぐことになり、ロンドンへやってきた。バスカビル家の医師モーティマーから依頼を受けたホームズはサー・ヘンリーに会い、危険な依頼であることを察知する。ホームズは他の事件で多忙であり、代わりにワトスンがサー・ヘンリーに同行して汽車でダートムアに向かった。
ダートムアはムーアと底なし沼のある田舎で、夜は薄気味悪く恐ろしいところだが、昼間は美しい自然を楽しめる土地である。駅に到着すると、警官が大勢いるので何事かと尋ねると、ムーアに凶悪な脱獄囚が逃げ込んだらしい。バスカビル家の館には執事のバリモア夫妻がおり、近くには昆虫学者ステープルトンやその妹ベリル、訴訟マニアのフランコランドなど住人がいる。
ワトスンは謎を解くべく、行動し、ホームズに手紙を書く。果たして、悪魔の犬の存在は?サー・チャールズの本当の死因は?

■感想
DVD-BOX2(現在は1と2が一緒になった完全版が出ていますが)は、1に比べると比較的地味な作品が多いのだが、これは例外。正典中4本の長篇のうち、最も人気の高い長篇だ。おどろおどろしい悪魔の伝承から始まり、骨相学や蝶の採集やら、なんだか不気味なムード満点。グラナダ版の良いところは、本物の美しいムーアが見られるところ。やっぱりいいなぁ、怖いけど。

正典ではレストレード警部が出てくるところも全部ワトスンがやってしまっているので、ワトスン・ファンにはたまらない活躍ぶり。ホームズより出番が多いのだ。今回の出色は隠れ家に現れたワトスンをホームズが自作のシチューでもてなそうとするところ。すごくまずそう。ワトソンは正直に「見るだけで充分だ」と言い、それを受けて「熱いとまだましなんだが…」と返す、その哀しそうな顔。グラナダ版のオリジナルで、最高なんである。

しかしあのセルデンのロボトミー手術はどういったら良いか。セルデンを放置しておくことへの言い訳としてグラナダ版で入れた処理なんだが、ちょっと気持ち悪いなぁと思う。凶悪な殺人犯は精神異常の判断が下され、ロボトミー手術を受けて今はもう無害なんですって、精神異常者に対する偏見というか対応がアナログすぎやしませんかね。もうちょっと「凶悪な殺人犯でも庇う姉がいるんだ」というところを、正典のようにしぶく書けないものかな。時間がないのはわかるんですが。

サー・ヘンリーと救い出されたベリルの再会のシーンの、一瞬嬉しそうな二人、その後の複雑な顔、という演出はよかった。とりあえず、人の奥さんだったわけで、サー・ヘンリーは騙されていたわけで。あぁよかったよかったと短絡的になれないのがよくわかって、よかった。しかし、ステイプルトンが一人でサー・ヘンリーを迎えて食事しているというだけで、ベリルが虐待されているとわかる、というところもちょっと無理がある。その前のステイプルトンとベリルの喧嘩のシーンを入れて欲しかった。ローラの存在も、もう少し会話の中で出てきているのだが、やっぱりちょっと突然すぎる。それからローラがステイプルトンには妻がいる件を初めて会ったホームズとワトソンから聞かされて、何の証拠もなく信用するところも無理があった。

結局この悪魔の犬は単なるリンを塗った巨大な犬だったわけですが、人を襲うようちゃんと訓練されているところが、すごいなぁと。昆虫学者にそんなこと出来るのか?みたいなことはたくさんあるんですが、あまり言わない方が良いでしょう。

(オススメ度:☆☆☆☆☆)

2005年7月 4日

シャーロック・ホームズの冒険 第13巻

シャーロックホームズの冒険 第13巻第23話:ウィステリア荘 Wisteria Lodge
■スタッフ
監督:ピーター・ハモンド
脚本:ジェレミー・ポール
ゲスト:フレディ・ジョーンズ(名古屋章)

「奇怪な」という言葉を、君ならどう定義づけるね?」
■紹介  ジョン・スコット・エクルズ氏はガルシアという男と知り合い、屋敷に招かれた。そこでサリー州のウィステリア荘を訪れるが、料理や給仕の態度もひどいもので、翌朝になってみるとガルシアの姿はなく、屋敷はもぬけの殻だった。この奇妙な出来事を解明するため、ホームズとワトソンを連れ、エクルズはウィステリア荘に戻る。  屋敷に到着すると、ガルシアは家から一マイルほどの沼地で撲殺体となって発見されたとサリー州警察のベインズ警部が告げる。エクルズはガルシア殺害の容疑者となっていた。この奇怪な事件をホームズはどう片付けるのか。

■感想
ホームズには警察に好敵手がいない。ポワロには親友のジャップ警部がいたりするのだが。本編に登場するベインズ警部はホームズも高く評価するキレ者だ。ベインズ警部が出てきた、ということには意味がある作品だが、その点以外ではちょっと、どうもなという今一の作品だ。原作の南米に対する蔑視感をかなり削っており、意味がわからなくなってしまっている。もちろん、やむを得ない処置だとは思う。最初からベインズがムリロの正体を知っていた、ということになっているので余計にじゃあ何故ホームズが出っ張ってくる必要性があったのかなぁとか思ってしまい、ちょっと興ざめなんである。
やっぱりホームズは孤高の天才でいて欲しい。理解者はワトスンとマイクロフトだけというのがいい。

(オススメ度:☆☆★★★)

第24話:ブルース・パーティントン設計書 The Bruce Partington Palns
■スタッフ
監督:ジョン・コリー
脚本:ジョン・ホークスワース
ゲスト:チャールズ・グレイ(久米明)

お前はその気にさえなれば、ロンドンきっての空き巣狙いになれるな―

■紹介
ホームズの兄マイクロフトは普段は自宅と役所とクラブ(ディオゲネス・クラブ)の間を行き来するだけで、それ以外の場所へ行こうとはしない。しかし、そんな兄がホームズのもとを訪ねて来る。地下鉄の線路脇で発見されたカドガン・ウエスト青年の死体から、重大な軍事機密、ブルース・パーティントン潜水艇の設計図が見つかったが、盗まれた10枚のうち3枚が行方不明だという。ホームズはマイクロフトの依頼を受け、調査を開始する。
盗まれたのはウーリッチ兵器廠からだが、鍵をもっていたのは二人だけ。そのうちの一人に会いに行くと、驚くことに今回の事件の責任を感じるあまり心労が募って、心臓の病で亡くなっていた。また、ウエストの死体に切符がなかったこと、列車から転落したにしては外傷が少なかったことから、ホームズは疑問を抱くが…。

■感想
冒頭、いきなりホームズが歌っている。これは中世音楽だそうだが、画像(NHKはカット)だけ見ていると、ちょっとぎょっとする。政府関係の書類がなくなる話は、他にもあって、似たような話だなぁとは思うのだが、このお話のポイントは列車の屋根に死体を落とし、そのまま運行してカーブで死体が落ちる、というところ。これは秀逸なトリックだろう。この時代ののんびりとした列車の運行なら考えられる。
オーバーシュタイン(なんてドイツっぽい名前…銀英伝か?)の家に忍び込もうとホームズが誘うと、ワトソンは最初は渋る。しかしホームズの説得に応じて承諾する。このときの一生懸命説得するホームズの姿はなかなか親しみがもてる。

(オススメ度:☆☆☆★★)

2004年3月14日

「シャーロックホームズの冒険」第12巻

シャーロックホームズの冒険 第12巻■2001.7.25 ハピネット・ピクチャーズ


銀星号事件 Silver Blaze
■スタッフ
監督:ブライアン・マイルズ
脚本:ジョン・ホークスワース
ゲスト:ピーター・バークワース(田中明夫)

「我々は想像し、そして仮定を立て、その裏づけを得たのだ!」
名馬銀星号が死んだ調教師を残して姿を消した。ダートムアの地を巡るホームズの想像力は事件の真実を描き出す。調教師を殺したのは誰か?そして銀星号は出走に間に合うのか!?

■紹介
レース目前に、本命馬銀星号が厩舎から消え、その調教師が近くで死体となって発見される。状況証拠から、事件当夜に不正情報を仕入れに来た予想屋の仕業と思われたが、現場を検分したホームズの推理は別の答を導き出す。馬の習性と想像力を駆使して、早くも銀星号の行方に見当をつけたホームズは、レース場ですべての真相を語る。

■感想
「プライオリ・スクール」の荒涼たる“ムーア”っぽさもよかったですが(ヒースクリフ…私よ、キャシーよ…みたいな)、この作品のダートムアの荒野の雰囲気も良いですね。「パスカヴィル家の犬」もダートムアでしたっけ。わざわざ当時のレースを再現しているあたり、なかなか頑張ってますね。

(オススメ度:☆☆★★★)

悪魔の足  The Devil's Foot
■スタッフ
監督:ケン・ハナム
脚本:ゲーリー・ホプキンス
ゲスト:デニス・クイリー(石田太郎)

「人間業でないとすれば、僕の手には負えませんな」
休養の地コーンウォールで、兄弟が狂い死ぬ。果たして殺人か、それとも人にあらざるものの仕業なのか。疲労を忘れ、命を賭してホームズは死の真相に近づく。

■紹介
休養を命じられたホームズは、ワトスンに付き添われコーンウォールにやってくる。しかしこの地でもホームズの下に事件は舞い込んだ。近くの館でトランプをしていた男女が発狂した死体で、あるいは発狂して発見される。ホームズはワトスンの制止を振り切り捜査を始めるが、程なく第二の殺人が起きる。それは先に死んだ女性の兄だった…。

■感想
コーンウォール半島の景色も見たことあるような気がします。ポアロだったっけかな?コカインとの決別を暗示するようなホームズの姿や、危険な実験から助け出されたホームズがワトスンに向かって「ジョン!」と思わず呼んでしまうところなど、見所の多い作品でしょう。ホームズの幻想風景も興味深いし、ホームズの休暇中の映像が、なんだからしくていいなと思うのです。
肝心の話の内容ですが、オカルトっぽい死に方をする事件では未知の凶器が発見される、という話は他にも出てきます。面白いんですが、ちょっと悲惨な感じです。ホームズ自ら実験するのは危険過ぎると思うんだけどな…。

(オススメ度:☆☆☆☆★)

2004年3月14日

「シャーロックホームズの冒険」第11巻

シャーロックホームズの冒険 第11巻■2001.7.25 ハピネット・ピクチャーズ


四人の署名 The Sign of Four
■スタッフ
監督:ピーター・ハモンド
脚本:ジョン・ホークスワース
ゲスト:ジョン・ソウ(川合伸旺)

「驚くべき体験だ…!」
若く清楚なメアリー・モースタンにワトスンがときめく。彼女に届いた謎の招待状に、ホームズは沸き立つ。莫大なる財宝を巡る、殺人と逃亡。そして裏切り。怪人物たちを追って、ホームズがテムズ河を疾走する!

■紹介
数年前に突如、行方不明になった軍人モースタン。その娘メアリの下に、未知の友と名乗る者から会見を望む手紙が届く。ホームズとワトスンを伴って出かけたメアリの前に、サディアス・ショルトーと名乗る人物が現れた。彼はモースタンの死と、そして彼女に与えられるべき財宝について語る。財宝を預かる兄を訪ねた一行は、宝の代わりに、奇妙な死に方をしたバーソロミュー・ショルトーの骸を目前にする。名犬トービィの力を借りて、犯人がランチを使って逃亡をはかったことを知ったホームズは、ベーカー・ストリート・イレギュラーズとアセルニー・ジョーンズ警部の協力で、テムズ河を逃げるスモールとトンガを追い詰める。捕まえたスモールが語った財宝の由来は、遠くインドに端を発する深い因縁であった。

■感想
過去の因果が今に報いの長編。正典でも長編第二作にあたります。さすがに気合いが入っているグラナダテレビ。ベーカー・ストリート・イレギュラーズは少年探偵団の走りだし、犬のトービィも大活躍。ショルトー兄弟の変てこりんさ加減や、義足の怪人スモールの恐ろしさといい、なんだか大人の読む推理小説じゃあないです。悪い意味ではないけど…。
悪いのは独り占めしようとしたショルトー少佐であって、モースタン大尉は高潔な人物だし、スモールも仲間のインド人たちとの約束を守ることを第一義に考えている男だという扱いは、勧善懲悪をわかりやすくした図ということなんですが、でもね、モースタンも囚人と組んで財宝の分け前にあずかろうとしたわけだし、スモールやインド人たちは人を殺してますからね。あまり少年少女向けのわかりやすい人物像というわけにはいかないでしょうけどね…。
問題はトンガの映像化でしょう。あれって人間ですかね?ひどいよなぁ…イギリス人ってのは現代でもアフリカ人に対してああなんですかね。ずいぶんと黒人が多い社会になっているので、そんな筈はないと思うのだけど。ああ、でもサッカーの試合中に黒人選手が侮辱されたりしてますね。サポーターのみならず、同じフィールド内にいる選手にもね。
ロンドンだけでなくて、マンチェスターやリバプール、ヨークシャーなどでもロケが行われたそうで、気合い入ってますな。しかしランチって小型汽船のことなんですが、迫力のある追走劇とは少々なりにくい乗り物かと。
正典ではメアリと結ばれるワトソンですが、ワトソンとホームズが別居しないこのテレビシリーズでは残念ながら「淡い恋心(ってトシかい)」で終わってしまいます。メアリの最初の訪問の後のワトスン「魅力的な女性だ」ホームズ「気がつかなかったよ」はそのまま少々いじわるなホームズの台詞なんですが、ラストのホームズ「気がつかなかったな…」は前に「君がそういう想いでモースタン嬢を見ていたとは」が入るような、そんな気がしました。

(オススメ度:☆☆☆☆☆)

2004年3月14日

「シャーロックホームズの冒険」第10巻

シャーロックホームズの冒険 第10巻■2001.7.25 ハピネット・ピクチャーズ


もう一つの顔 The Man with the Twisted Lip
■スタッフ
監督:パトリック・ラウ
脚本:アラン・プレイター
ゲスト:クライブ・フランシス(勝部演之)

「ロンドンまで蹴飛ばされて当然の馬鹿者だよ!」
阿片窟に消えた紳士。生きているのか、殺されたのか?得意の変装で窟に潜り込んだホームズ、思索の瞑想にふけるその頭脳に、真実の光明は射し込んだ!

■紹介
思いかけず阿片窟でホームズと遭遇したワトスン、ホームズはここで失踪した紳士の行方を探していた。夫人に目撃された紳士はあわてて姿を消し、現場に衣服だけがのこされていた。阿片窟の主人と共にそばに居たシティ名物のマッチ売りが、彼を殺した犯人と思われたが…。

■感想
このシリーズの名作の一つなのだけど、作品タイトルの日本語訳がネタバレになってしまっている。書籍などでは常に「唇のねじれた男」なんだけど、差別的要素が含まれるからなのか、意味不明な変更である。阿片屈の様子やその近辺の街と人々の様子が細かく描かれ、とてもリアルに見える。この辺は映像化にあたり力を注いだと思われる。が、正典そのものの問題だけど、いくら銀行街のシティになわばりがあるとは言え、物乞い稼業が銀行員の日給と同じっていうのは解せない…と子供の頃から思っていたりする。当時はそんなものだったのかなぁ。
こちらの令夫人は夫の生存の可能性を客観的に見つめながらも、主観としては生きている可能性を固く信じている、という気丈な女性。正典で弱々しかった人もなかなかしっかりさせないと、女性視聴者に受け入れられないと考えたせいなんでしょうか。全体的に女性陣がしっかりめに変身していたりしますね。
最後、ブーンの衣装を焼いているネヴィルのところにセントクレア夫人がやって来るあたりのテムズ川のシーンはよかったですね。

(オススメ度:☆☆☆☆★)

六つのナポレオン The Six Napoleons
■スタッフ
監督:デビッド・カースン
脚本:ジョン・ケーン
ゲスト:コリン・ジェボンズ(川辺久造)

「観察し、記憶するのだ!」
六つのナポレオン像。片っ端からそれを破壊する賊の真意は何か。そしてそれを付け狙うマフィアの目的は?レストレードと競う、ホームズの推理が冴える。

■紹介
レストレードが奇妙な事件について語る。その賊は、忍び込んだ先で次々にナポレオン像を破壊してまわってるのだ。そしてついに事件は殺人に発展する。マフィアの手になる凶行と主張するレストレードを尻目に、ホームズはナポレオン像を追う。果たして犯人の目的とは…?

■感想
冒頭、下着姿の女性が窓辺で体を洗う、という場面はどういう意味があったんだろう?それから、それを見ているパパ・ヴェヌーチ、別の部屋で一族の問題について言い争う兄と妹、というシーン、なんだか劇中劇みたいで、このテレビシリーズの雰囲気に全然合わない。イタリア系のマフィア絡みのお話だから、意図的にそらした演出になっているんだろうけど、なんか変。
レストレード警部がどんどん良い感じになっていて、ホームズに対しての対抗意識はもちろんあるのだけど、ワトスンとホームズと3人でくつろいだり、その後ホームズに叩き起こされて深夜の張り込みに出たりといった場面でのおとぼけっぷりがなかなか。その上、最後の方、ホームズと二人で照れくさいの極地に行ってしまって、もう目も当てられない。いいなぁ。

(オススメ度:☆☆☆☆★)

2004年3月14日

「シャーロックホームズの冒険」第9巻

シャーロックホームズの冒険 第9巻■2001.7.25 ハピネット・ピクチャーズ


マスグレーブ家の儀式書 The Musgrave Ritual
■スタッフ
監督:デビッド・カースン
脚本:ジェレミー・ポール
ゲスト:ジェームズ・ヘイゼルダイン(磯部勉)

「ブラントンにできたことなら、われわれにもできる!」
宝物のありかを示す謎の文言。それを見抜いた執事が、失踪を遂げる。果たして彼はどこに?そして宝は??ホームズが儀式書の謎に挑む!

■紹介
ホームズはワトスンを伴い、旧友の屋敷へ休暇に訪れる。その家には博学で知に長けた執事が勤めていた。翌日、その執事は姿を消す。初めは主人に暇を出されたために家を出たのだと思われていたが、続いて婚約者のメイドも失踪を遂げる。執事の解雇の原因となった、家に伝わる儀式書に秘密があるとにらんだホームズは、その解読に乗り出す。

■感想
これは映像として非常に良いです。あの木の下から上を見上げる3人の影なんて、すごくいい。ブラントンのもみあげがいかにも(笑)だし、磯部勉の声もいい。カーデガンを着たマスグレーブ(マイケル・カルバー)が何故か前職の二代目社長にそっくりな点も個人的にGood(笑)!! ラストのレイチェルの姿はオフィーリアそのものですし。美しいですね。

(オススメ度:☆☆☆☆☆)

修道院屋敷 The Abbey Grange
■スタッフ
監督:ピーター・ハモンド
脚本:トレバー・ボウエン
ゲスト:アン・ルイーズ・ランバート(香野小百合)

「君は変人のままでいろ…!」
暴虐なる夫と、麗しい夫人。慕情は踏みにじられ、怒りの拳が非道を砕いた。 すべてを見抜いたホームズが、夫人と犯人、そしてワトスンの前で裁決を下す。

■紹介
ケント地方の屋敷で強盗による殺人と思われる事件が起きた。生き残った令夫人は、死んだ夫に虐待を受けていた。夫人の偽証を見抜き、残された手がかりから犯人を突きとめたホームズはその人物を部屋に呼ぶ。告げられた真相と、夫人を前にホームズが下した結論は…。

■感想
麗しの夫人は確かにとても麗しい。と同時に、侮辱するような言葉を吐いた夫に立ち向かって行くあたりは立派。でも…どうも二人のなれそめあたりからロマンチックに過ぎて好きになれない。それでも、ホームズが「この結び目は船乗りだ!」とか言いつつ真犯人を突き止めているあたりは、非常にまっとうにホームズらしい。グラナダ版の演出の問題なんだが…。
今回もホームズは犯人を見逃します。濡れ衣をきせられたのは、名うての強盗一味だし、ホームズが責任をもって彼らに対してのこの事件に関する嫌疑は晴らすと約束しているわけだから、まぁ良いのだが。本当につかまったら、どうするつもりだったのか?「じゃあ真犯人は誰?」って追求されるだろうに…。

(オススメ度:☆★★★★)

2004年3月14日

「シャーロックホームズの冒険」第8巻

シャーロックホームズの冒険 第8巻■2001.6.25 ハピネット・ピクチャーズ


プライオリ・スクール The Priory School
■スタッフ
監督:ジョン・マッデン
脚本:トレバー・ボウエン
ゲスト:アラン・ハワード(土屋嘉男)

「閣下にはお幸せを、私には金をもたらすよう、努力しております」
伝統ある寄宿学校からふいに姿を消した公爵の嫡男と教師。失踪の裏には公爵家の複雑な事情が絡んでいた。荒野を駆けるホームズの救出の手は果たして間に合うのか!

■紹介
威厳あるホールダネス公爵の嫡男サルタイア卿が、ドイツ人教師と共に寄宿学校プライオリ・スクールから突然姿を消した。事態を憂慮した校長の依頼でホームズは失踪の跡を追跡するが、行方はようとして判らない。見つからない自転車のタイヤ跡と、散らばる牛の足跡、蹄鉄を見つめるホームズの目が光る。

■感想
このテレビシリーズでは田舎の荒涼とした景色が見られることはこれまでは少なかったのですが、この後どんどん増えていきます。荒野を馬で、あるいは徒歩で疾走するホームズも良いです。でも出色なのは「プライオリ・スクール」そのもの。修道院を学校に改造したものですが、イギリスの寄宿学校ものの中でももっとも厳格なのでは?と思わせるその雰囲気。好きな人にはたまらないでしょう(笑)。ちゃんとロケできるような修道院が残っているんですねぇ。ラスト、元気を取り戻して級友たちと笑うサルタイア卿の姿に何故か感動。

(オススメ度:☆☆☆★★)

第二の血痕 The Second Stain
■スタッフ
監督:ジョン・ブルース
脚本:ジョン・ホークスワース
ゲスト:パトリシア・ホッジ(小沢寿美恵)

「回収が出来なかった場合は間違いなく戦争になると…?では戦争の準備をなさい」
国家間の危機をもたらす重要な手紙が大臣の手元から紛失する。一方、ウェストミンスターでは殺人事件が起きた。警察も知り得ぬ両事件の意外な接点を見出すホームズ。

■紹介
首相と欧州担当大臣自らホームズの部屋を訪れた。戦争をもたらしかねない書簡が大臣の書類箱から消えてしまったと云う。ホームズがスパイ活動に覚えのある人物を洗おうとした矢先、当の人物の殺害が報じられる。両方の事件にはどんな関連があるのか?そして手紙の行方は?ホームズに光明をもたらしたのはレストレード警部だった。

■感想
「海軍条約事件」に引き続き、なくなった書類を探せ!のエピソード。一見美人で聡明そうでも、女は浅はかだなぁという結論。しかし、こんな重要な書類、どうやって見つかったのか依頼主に報告しないで終わらせようってのは非現実的。誰と誰が中を見たのかセキュリティの管理が出来ないじゃん、とか、大臣の書類入れに入れておいたことが最高の機密扱いだったりすることとか、非常に甘い。でも、レストレード警部がとてもかわいいので、この話許す。

(オススメ度:☆★★★★)

2004年3月14日

「シャーロックホームズの冒険」第7巻

シャーロックホームズの冒険 第7巻■2001.6.25 ハピネット・ピクチャーズ


最後の事件 The Final Problem
■スタッフ
監督:アラン・グリント
脚本:ジョン・ホークスワース
ゲスト:エリック・ポーター(南原宏治)

「君の真実の友… シャーロック・ホームズ」
両雄並び立たず。常に影の存在だった“犯罪会のナポレオン”が自ら、動く。 稀代の才二人の追走は大陸を駆け、舞台はついに決着の地・ラインバッハへ―

■紹介
ホームズは命を狙われていた。度重なる計画の妨害に業を煮やした犯罪界の黒幕モリアーティー教授がホームズの抹殺に乗り出したのだ。ワトスンと共に一時の逃避行に旅立ったホームズを、執拗に付け狙うモリアーティ。組織を潰され、単身となった彼はついに自らホームズに挑む。果たしてその結末は!

■感想
あまりに有名なホームズの最後…になる筈だった作品。グラナダTVも明らかにヨーロッパロケを敢行したようで、1985年当時では完全にCGとは言えないと思うので、おそらくスタントを使って二人を滝壺の中に落としてるし、悲壮な音楽は流れるし(笑)で、見所はいっぱい。ホームズがどのくらいモリアーティを追いつめたかの下りなどはテンポよくまとめられていて、さすがだと思う。しかし、小学生時分に読んだときは「ホームズが死んじゃった…」というのは、ものすごいショックだった。続きがあるのを知ってほっとしたっけ。当時の読者の不満やさぞ…と思われる。その声に押されて、というのもあるんだと思うが、むしろ他の作品の出来映えの問題もあって、ドイルはホームズを復活させたのかなぁとか思ったりして。
モリアーティ教授は、まぁイメージ通り。ホームズといい、ワトスンといい、本当にいるんだなぁこういう人たち。そのワトソンくんを演じたデビッド・バークは今回で降板し、次の回からはエドワード・ハードウィック。全然違うタイプの役者さんなんだろうけど、雰囲気が似てしまうところがさすがだなと思う。次のワトスンの方が穏やかで良いのだが、年齢がちょっと行き過ぎてる気がする。役者の方はそれぞれの良い点があると思うけど、声優の方は明らかに長門裕之はダメでしたね。しゃべり方が少々乱暴なので、イギリスの紳士っぽくないです。

(オススメ度:☆☆☆☆★)

空き家の怪事件 The Empty House
■スタッフ
監督:ハワード・ベイカー
脚本:ジョン・ホークスワース
ゲスト:パトリック・アレン(坂口芳貞)

「本当に君なのか…? 生きていたのか!」
英雄再び― 深遠なる淵へ姿を消した異才は、今再び友の眼の前に立つ。 ロンドンの暗い霧が、そしてモリアーティーの遺志が彼を呼んだのだ!

■紹介
監察医の仕事に携わるワトスンは不思議な銃撃事件に巡り合う。その現場でレストレード警部と共にホームズを偲ぶ彼だったが、そんな彼の前に、唐突に古本屋の主人が現れる。そしてワトスンの眼前でふいにその装いを解くと―!その正体は滝壺に沈んだはずのホームズであった。しかし喜びも束の間、モリアーティの残党が再び彼を付け狙う…。

■感想
ホームズは空白の3年間、冒険家だったり学者だったり。いずれにせよ探求心の旺盛な彼らしい過ごし方ですな。兄のマイクロフトはホームズの生存を知っていたわけですが、ハドソン夫人も知っていたんでしょうか?ずっとあの部屋を整えていたように見えるんですが。だいたいワトスンもあの部屋に誰か他の人が住んでいるかどうかぐらい調べればわかるでしょうに。とかどうでもいいことにこだわるのは、ワトスンがホームズの生存を自分は知らされていなかったことを拗ねてみせたりするからです。というわけで「帰って来た」ことやその後どうした?という話が中心で、実際の事件の方はわりとどうでもよかったりするのでした。

(オススメ度:☆☆☆★★)

2004年3月14日

「シャーロックホームズの冒険」第6巻

シャーロックホームズの冒険 第6巻■2001.6.25 ハピネット・ピクチャーズ


入院患者 The Resident Patient
■スタッフ
監督:デビッド・カースン
脚本:デリク・マ−ロウ
ゲスト:ニコラス・クレイ(国広富之)

「『ブルック街の怪事件』、か…!」
貧しくも才能豊かな青年医師に、突如援助を申し出た謎の紳士。ブルック街に開業した医師に入院患者として同居した彼は、常に何かを恐れていた。

■紹介
ホームズの部屋を青年医師トレベリアンが訪れる。彼は貧しかったが、ブレッシントンという人物の出資で開業、成功していた。ブレッシントンは入院患者として同居していたが、しかし最近、何者かがその部屋に侵入する。突然、姿を消した不審な患者が怪しかったが、彼はなぜか警察を嫌い、ホームズへの依頼をトレベリアンに託したのだった。

■感想
私は書類などの整理をするのが好きなので、ハドソン夫人にむちゃくちゃ同情したお話。過去の因果が今に報いる系列のお話だから、ホームズなら過去の有名な事件は全部頭に入っているにせよ、詳細を新聞記事のスクラップなど書類で引っ張り出さなくてはならない。現在なら新聞記事データベースで検索すればよいけど、この頃はね。なものだから書類はすぐに引っ張り出せないとまずいでしょう。それなのに、散らかしまくり(笑)。

(オススメ度:☆☆★★★)

赤髪連盟 The Red-Headed League
■スタッフ
監督:ジョン・ブルース
脚本:ジョン・ホークスワース
ゲスト:ロジャー・ハモンド(高木均)

「こんな面白い事件をよそへ持って行かないで下さいよ!」
突如、人員を募集し、唐突に解散して消えた奇妙な赤毛の団体「赤髪同盟」。 その裏には周到で、思いもつかぬ巧みな謀略が隠されていた…。

■紹介
赤毛の依頼人ウィルスンが持ち込んだ話はまことに風変わりなものだった。質屋を営む彼は店員の薦めで「赤髪連盟」という不思議な団体の人員募集に応募する。即決で採用された彼はしばし単調な仕事で高給を手にするが、ある日、連盟は唐突に消滅してしまう。珍妙な事件に最初ホームズは喜ぶが、事件の裏側には陰謀が渦巻いていた。

■感想
ドイルのアイディアの勝利といえる作品。小学生の頃は「シャーロック・ホームズ」と言えば「赤毛連盟」でした。本来小気味よい一品だったのが、次に「最後の事件」をもってくる都合上、モリアーティ教授をちらりと登場させざるを得なかったことによって、違う雰囲気になってしまったのが残念。

(オススメ度:☆☆☆☆☆)

2004年3月14日

「シャーロックホームズの冒険」第5巻

シャーロックホームズの冒険 第5巻■2001.6.25 ハピネット・ピクチャーズ


ギリシャ語通訳 The Greek Interpreter
■スタッフ
監督:アラン・グリント
脚本:デレク・マ−ロウ
ゲスト:チャールズ・グレイ(松村達雄)

「僕よりはるかに優れた観察力や推理力の持ち主だ」
シャーロックの兄、マイクロフト・ホームズ登場。 弟に勝る頭脳と巨躯を駆使し、弟と共にギリシャ語通訳の事件を追う!

■紹介
「会ってみたいか?」ホームズに兄がいると知ったワトスンは好奇心を抑えきれない。シャーロックに勝る観察力と推理力を示したマイクロフトだったが、いかんせん行動力に乏しいからと、知人のギリシャ人青年メラスが巻き込まれた事件を弟に謎かける。しかし思いがけぬ急展開に、巨漢の兄も重い腰を上げ、事件解決に一役買うのだった。

■感想
マイクロフト・ホームズ登場。もっと太っていて全然動かない人というイメージですが、番組では多少は動きますね。そうしないと絵にならないからなんですが。それにつけてもイヤ〜な話ですね。誘拐されたギリシア人が拷問されてるのが明らかだし、結局ホームズも彼を救えなかったし。何よりイヤなのが、妹が兄貴に会っているのに気づかない点。目隠しもしているけど、一瞬であっても兄貴ならわかるでしょうが!というところですね。その上、更に兄を殺した男とわかっていてもついて行ったでしょうと言わせたあたり。これはテレビ版の演出ですけど、「女は怖いわ」的なホームズの発言も「まったくだ」と思います。イヤな話が多いのですが、マイクロフトが救ってくれてることと、最後の影だけのシーンが好きなので、四つ星です。

(オススメ度:☆☆☆☆★)

ノーウッドの建築業者 The Norwood Builder
■スタッフ
監督:ケン・グリーブ
脚本:リチャード・ハリス
ゲスト:コリン・ジェボンズ(川辺久造)

「レストレード警部…!現れると思ったよ!」
不意に訪れた建築家の申し出と彼の死は前途ある青年弁護士を陥れた。濡れ衣を晴らそうと奔走するホームズにレストレードは決定的証拠を突きつける。真相は如何に?

■紹介
母上と旧知の仲という建築家オールデーカーが、若き弁護士マクファーレンに依頼したのは、遺産を彼に委ねるという遺言書の作成だった。その屋敷を訪れた翌朝、彼が耳にしたニュースは、邸の敷地から出た不審火の跡から、オールデーカーの他殺死体が発見されたというものだった。罠に陥った彼はホームズに救いを求めるが…。

■感想
レストレードくん登場。良い味出してますな。最初は対抗意識丸出しで、ホームズをあと一歩まで追いつめながら、真相の前には謙虚になるあたりが良いキャラクターであることを表現しています。隠し部屋のトリックなどは平凡ながら、レストレードくんがちゃんと描けているので、それだけでよしとしましょう。

(オススメ度:☆★★★★)

2004年3月14日

「シャーロックホームズの冒険」第4巻

シャーロックホームズの冒険 第4巻■2001.6.25 ハピネット・ピクチャーズ


青い紅玉 The Blue Carbuncle
■スタッフ
監督:デビッド・カースン
脚本:ポール・フィニー
ゲスト:ケン・キャンベル(松橋登)

「だが… 一人の魂は救えたろう…」
聖夜の季節。偶然に操られ舞い込んだ青い紅玉を巡って、ホームズの推理が冴える。ひとつひとつの経路を逆にたどり、行き着いた人物は…。

■紹介
メッセンジャーのピータースンが持ち込んだ古帽子とガチョウに興味を持ったホームズ。ワトスン相手に帽子の持ち主に関する推理を次々に披露していると、ピータースンが割いたガチョウの腹から何と宝石が!それは盗難にあい、賞金が懸かった今評判の“青い紅玉”だった。更に進むホームズの推理は、やがて彼らを犯人へと導いていく…。

■感想
とても好きな作品。クリスマスに合わせてアットホームに仕上げてしまったので、TVシリーズの中でも「浮いた」感じがする。鵞鳥倶楽部のパブの主人がいつも外にいる浮浪者を中に入れてやる場面とかあったりして。内容の方も「消えた七面鳥を追え!」っていう話になっているため、緊張感が今一つ。さて、ホームズはクリスマスに免じてか、犯人の一人を見逃してやったりする。今後もこういう話が出てきますが、その都度ワトソンと論議になる。まぁ、私立探偵なんだから、警察じゃないんだから、という系譜はここから始まっているわけだ。それにつけても「ガチョウクラブ(と書くべきか鵞鳥倶楽部と書くべきか)」は傑作。20世紀末のロンドンのクリスマスが細かいところまで再現されているようで、なかなか素敵な映像に仕上がっている。

(オススメ度:☆☆☆☆☆)

ぶなの木屋敷の怪 The Copper Beeches
■スタッフ
監督:ポール・アネット
脚本:ビル・クレイグ
ゲスト:ナターシャ・リチャードスン(榊原るみ)

「歯形で織工を見分けられずに、分析や推理のアヤが分かるものか!」
事件記録の視点を巡って常に意見を隔てるホームズとワトスン。風変わりな仕事に戸惑う若い家庭教師が巻き込まれた「ぶなの木屋敷」での陰謀を阻止した、此度の事件簿の出来や如何に。

■紹介
「家庭教師を引き受けるべきかご相談を」いぶかるホームズを訪ねたバイオレットの話は、しかし奇妙なものだった。「ぶなの木屋敷」と呼ばれる館の当主が、高給の代わり、用意されたドレスをまとい髪も切れと要求すると云う。一度は断った彼女も、ホームズを頼りに話を引き受ける。しかし、ぶなの木屋敷での体験は更に怪しさを増すものだった…。

■感想
イギリスの家庭教師ならもう少ししっかりしているものだと思うのだけど、正典ではもっとしっかりしているそうな。やっぱりね。はぁ、この人(ナターシャ・リチャードスン)ってバネッサ・レッドグレーブの娘なんだ。青いドレスはなかなか似合いますけどね。イギリスのお屋敷にくっついている「塔」に隠された秘密ってあたりは定番っぽくて良い感じだと思いますが、どうも「変な夫婦」が二組もいるため、すごく不自然な気もしますけどね。

(オススメ度:☆☆★★★)

2004年3月14日

「シャーロックホームズの冒険」第3巻

シャーロックホームズの冒険 第3巻■2001.6.25 ハピネット・ピクチャーズ


まがった男 The Crooked Man
■スタッフ
監督:アラン・グリント
脚本:アルフレッド・ショーネシー
ゲスト:ノーマン・ジョーンズ(佐野淺夫)

「デービット!デービット」
雷鳴と共に響いた叫び声と悲鳴、恐怖に顔をひきつらせて死んだ大佐の見たものは?
そして誰のものとも知れぬ名前“デービット”の意味するものは何か?

■紹介
インドで武勇で知られたマローズ連隊の隊長、バークレー大佐の死体が、気を失った夫人とともに発見された。凶行の有った部屋を調べた結果、ホームズは第三の人物の存在を確信する。果たして、調査の線上に怪しい「背の曲がった男」の影が浮かんできた…。


■感想
インド絡みの大河ドラマのようなお話です。インドで捕虜になってインド人にこきつかわれて腰が曲がってしまったという設定は少々…。まぁ、こういうこともあったのかもしれませんが、イギリス人がインド人にしたことも考えると、こういう描かれ方ばかりされてはインド人も納得出来ないのでは?と思いますが…。

(オススメ度:☆★★★★)

まだらの紐 The Speckled Band
■スタッフ
監督:ジョン・ブルース
脚本:ジェレミー・ポール
ゲスト:ジェレミー・ケンプ(小松方正)

「まだら…まだらの紐…!」
謎の言葉を残して死んだ姉に続き、危機にさらされる妹。彼女を狙う傍若無人な義父の脅しを歯牙にもかけず、迫り来る恐怖に立ち向かうホームズ!

■紹介
意味不明な言葉を残し、不可解な死を遂げた姉の部屋で寝ることになったヘレンは、姉と同じく怪しい口笛の音を耳にする。相談を受けたホームズは、彼女の義父の脅しにもひるまず、彼女の身代わりとなって部屋に潜む。果たして、口笛の音と共に現れた“まだらの紐”の正体とは…?

■感想
密室トリックのアイディアから傑作と名高いながら、ドイルは蛇の生態について実はよく知らなかったのでは?と思われる一篇。番組の方は義父のロイロット博士の「半端じゃないやばさ」やホームズの危機意識の高さから、緊張感のあふれる画面を作ることに成功している。ホームズが「凶器」を追っ払うときは姿を映さず、最後の最後にその姿を本当に見せたのはうまかった。狩猟小屋でのホームズとワトソンを見ていると、「ああ、やおいの人たちが騒ぐのも無理はない」と思われる。インドの変な生物ものはやっぱり怪しい。「シャーロック・ホームズの冒険」という作品全体に漂うゴチック調というか、怪奇ものっぽさはこのあたりに所以があるのか。

(オススメ度:☆☆☆☆★)

2004年3月14日

「シャーロックホームズの冒険」第2巻

シャーロックホームズの冒険 第2巻■2001.6.25 ハピネット・ピクチャーズ 3,800円


海軍条約事件 The Naval Treaty
■スタッフ
監督:アラン・グリント
脚本:ジェレミー・ポール
ゲスト:デビット・グィリム(樋浦勉)/アリソン・スキルベック(宗形智子)

「この薔薇の何と美しいことか…」
絶望の淵に沈んだワトスンの友人に、薔薇を手にしたホームズは語る。花の美しさこそ神の存在している証。なればこそ、われらは花に希望を託して生きているのです、と…

■紹介
秘密裏に結ばれた海軍条約の文書を、ほんの一時、部屋を空けた隙に何者かに盗まれてしまった書記官フィルブスは事の重大さに病床に伏す。解決の依頼を受けたホームズは、盗難のいきさつと、フェルブスがかつぎ込まれた家の様子から、早くも犯人と文書のありかの目星をつける。

■感想
「盗まれた手紙」系の灯台もと暗しの結論は短編なら使いたくはなるんだろうけど、これ一度切りじゃなかったわけです。今回の政治絡みのパターンと同じく、「第二の血痕」でも首相が依頼主になったりするのだけど、こちらも灯台もと暗しの結論でした。内容がまったく異なるのでつまらないとは言いませんけどね。
呼び鈴がなった、ならない、というあたりの推理はおいおい応用していくんだなぁとか思いながら見ていました。
しかし、ホームズの上記の台詞はすごく唐突な気がするのですが。キザったらしいところを見せたかったのかなぁ。

(オススメ度:☆☆★★★)

美しき自転車乗り The Solitary Cyclist
■スタッフ
監督:ポール・アネット
脚本:アラン・プレイター
ゲスト:バーバラ・ウィルシャー(樫山文枝)

「いや、私は紳士だ!」
厳格なる理論家にして、また行動力も富む、私立探偵シャーロックホームズ。
無頼の輩は正の拳でこれを懲らし、質実剛健たる英国紳士の面目躍如。

■紹介
自転車でベーカー街を訪れた娘パイオレット。家庭教師の行き来の途上、怪しげな男につけられるようになったと云う。調査の結果、彼女の雇い主をその友人に関係ありとにらんだホームズとワトスンは彼女の下へ向かうが、間一髪、彼女は何者かにさらわれてしまう…。

■感想
イギリスの女性家庭教師のりりしいことこの上ないですな。人に使える身ではあるものの、自らの教養で身を立てているのだから,この時代にそれは誇り高いのは当然でしょう。ここに出てくるバイオレットも結構美人でカッコ良いかなと。自転車を一人で長距離こいで通勤するなんざ,ハイカラそのものでしょうな。
個人的にホームズが古式ゆかしい拳闘シーンを見せるこのお話が大好きです。ホームズは頭脳だけの探偵ではないのです。並はずれた体力や行動力ももち,喧嘩も強い。やっぱりホームズって推理小説というよりは,その名の通り「冒険譚」でしょう。


オススメ度::☆☆☆☆★

2004年3月14日

「シャーロックホームズの冒険」第1巻

シャーロックホームズの冒険 第1巻■2001.6.25 ハピネット・ピクチャーズ 3,800円

「ボヘミアの醜聞」A Scandal in Bohemia
■スタッフ
監督:ポール・アネット
脚本:アレクサンダー・バロン
ゲスト:ゲイル・ハニカット(三林京子)/ウルフ・カーラー(内藤武敏)

「尊敬を込めてあの女性(ひと)と呼ぶのだ…」
元来、女性に関心のないホームズをして忘れ得ぬ面影を残した女性アイリーン。ボヘミア国王の写真をめぐるホームズと彼女の虚々実々の駆引を描く。

■紹介
ホームズの部屋をボヘミアの国王が訪れる。若き日のロマンスの相手であるオペラ歌手アイリーン・アドラーに送った写真を取り戻して欲しいという国王の依頼を受けたホームズは、変装して彼女に近づき見事、写真の隠し場所を探りあてるが…。(DVDより)
■感想
短編の第一作をテレビシリーズの第一作にもって来るあたりが気合いの入っている証拠。長いシリーズを黒星でスタートさせるところがミソ。自分に土をつけた女性に敬愛の念をもつあたりがホームズらしいけれど、シリーズ全体からすると女性の影がない分、異色という印象が残る。しかし、あの下手な変装と演技では誰でも怪しいと思うがな…という間抜けなホームズから始めなくてもね…とも思う。NHK版ではコカイン常用者としての場面が全部カットされている。仕方がないとは思うが、シリーズ全般を通してカットされまくっているのには無理があると思う。

(オススメ度:☆☆★★★)

踊る人形 The Dancing Men
■スタッフ
監督:ジョン・ブルース
脚本:アンソニー・スキーン
ゲスト:テニエル・エヴァンズ(根上淳)/ベッツィ・ブラントリー(櫻田千恵子)

「挑戦し甲斐のある問題だ…!」
踊る人形の奇妙な羅列。緑豊かな地の屋敷に突如現れた絵文字に、妻は怯え、夫は戸惑う。冷徹なる智恵で暗号の謎に挑むホームズ。

■紹介
ノーフォークの荘園主キュービット家の庭のベンチに書かれた、踊る人形が並んだ不可解な絵。それを見た夫人エルシーは何故かひどく怯え、口を閉ざす、その絵が暗号とにらんだホームズは早速解読にかかるが、その一方、キュービットの家には次々と踊る人形の絵文字が現れていた。(DVDより)

■感想
黒板に人形の絵をチョークで描き、その暗号解読に精進するホームズの姿を見せて、学者くさい探求心旺盛な面を視聴者に印象づけるような作りになっている。「踊る人形」というアイディアは秀逸だった。人形のアニメーションgifでも作りたい。

(オススメ度:☆☆★★★)

2004年3月14日

「シャーロックホームズの冒険」DVD-BOX1

シャーロックホームズの冒険 DVD-BOX1■2001.6.25 ハピネット・ピクチャーズ 43,890円
■原題:The Adventure of Sherlock Holmes
■スタッフ
制作:グラナダテレビ
出演:シャーロック・ホームズ:ジェレミー・ブレット(露口茂)
ジョン・H.ワトスン:第1巻〜7巻;デビッド・バーク(長門裕之)/第7巻〜;エドワード・ハードウィック(福田豊土)
ハドソン夫人:ロザリー・ウィリアムス(竹口安芸子)

■感想
グラナダTVが制作した非常に気合いの入ったテレビシリーズ。原作(正典)に忠実に作られ、当時の時代の風俗を再現。主演のジェレミー・・ブレッドが最高のホームズ像を作り上げる。DVDはNHK放送時にカットされた分も収録している。

ジェレミー・ブレッドという最高のホームズ俳優を生み出し、ヴィクトリア朝のイギリスを詳細に描き出したこの作品が日本で放映されたのは1985年〜1995年の間のことでした。正直言って、推理小説としての魅力はあまりよくわからないものの、冒険活劇としてのホームズに魅せられ、このテレビシリーズでロンドンやベーカーストリートへの興味をかき立てられた私としては、気になっていたDVDでした。私が気になるポイントは馬車とメイドですね。風俗研究にはもってこい。

ドイルの怪奇幻想傾向っていうのは、まぁ時代の産物なんでしょうね。申し訳ないけど、私には「切り裂きジャックの世界」としか思えない…。元々シャーロキアンでも何でもないので、小学生の頃読んだ代表作だけの記憶でこのテレビシリーズ見ています。でも、ちゃんと読んだ方が良いかなと思いました。
あと、露口ホームズのすばらしいこと。ジェレミー・ブレッドって実は声が少々高いので、あまりホームズのイメージじゃないんですわ。ポアロを演じたデヴィッド・スーシェが実は非常にしぶい低い声の人なのに、意図的に高い声を出しているのと対照的。吹き替えってがっかりすることの方が多いのですが、この露口茂(nearly = 山さん)は特別いいですね。