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2012年10月24日

誕生日/カルロス・フエンテス

誕生日/カルロス・フエンテス読み始めてしまったと思ったけれど、作品の迷宮に入り込んでしまい、なかなか抜け出せない。古い廃屋となった、でも白壁の美しさを保っている屋敷の中で午後の日射しと影の中、木の葉のように舞っている自分を感じる。夢だとわかっていて、目を覚ましたいのに、夢から覚めずにもだえているような感覚と言えば良いだろうか。それは「難解な本にぶちあたってしまってどうしよう」というとまどいを覚える前に、なんだか心地よい浮遊感の中で文字を追いつつ映像を見ているようだった。

↑は異例とも思えるほど長い解説の中でこの作品を表現した言葉たちが並んでいたので、それにつられて書いてみた。

少し進んでは戻り、何度も読み返していた。ヌンシアはいわば「女」の総合代名詞みたいなものなのでなんとなくつかめるのだが。男の子や語り手がどこでどう入れ替わって行くのかが、次第にわからなくなっていく。すべて「私」なようにも思える。大枠は全体の物語がすごく短い間のものであり、その中での時間と空間の移動がさまざまであることは匂って来る。

「シャーリー・マックレーンへ」の献辞が最初のヒントになっているとも言えるのか、かえって気にしない方が先入観がなく読めて良いと思う気もするのだが、それは人によるのだろう。

装丁が美しい。これは現物でないとわからない。彫りの陰影や手触りを味わってから読みたい。

著者:カルロス・フエンテス著, 八重樫克彦,八重樫由貴子訳
書誌事項:作品社 2012.9.30 176p ISBN978-4-86182-403-6
原題:Cumpleañ;os, 1969. Carlos Fuentes

2011年3月 4日

ラテンアメリカ十大小説

ラテンアメリカ十大小説こんな良い本を読んでからラテンアメリカ文学に入っていける読者は幸運だ。新書は新しい知識を得ようとするときに必要なもの。その道のプロが何の知識もない人に、ていねいに概略を教えるものだ。知らない人にものを説明するほど、難しいものはない。その道の専門家が平易な文章で素人に向けて書く。とてもレベルの高い仕事だ。私も筒井康隆の新書(多分「本の森の狩人」)でラテンアメリカ文学を知った。新書は新しい読者獲得のための大切な仕事だ。

巻末に主要作品リストが添えられていた。白状すると、コルタサルが半分くらい、その前のボルヘス、カルペンティエル、アストゥリアスは壊滅状態なんである。でも、ガボ以後は全部読んでる。あ、違った。フェンテスの「聖域」と「脱皮」はまだだった。積読のまま忘れていた。

ボルヘスは短編ばかりなので、手を出さなかっただけのこと。基本、自分は長編が好みなので。カルペンティエルとアストゥリアスは長編だから当然手を出して、途中で挫折してしまいました。すみません...。私にはちょっと口調が堅すぎたかなというか難解だったかな...。コルタサルは短編は何とか読んだが、「石蹴り遊び」は第三部でやはり挫折...。

本書を読むと自分が「ブーム」の後からしか手をつけていないのがわかる。自分はリョサが一番好きで、多分次くらいにガボが来るのだろうけど、本当に親しみを感じているのはマヌエル・プイグ。プイグの何が良いって、繊細で優しいところ。腐女子を名乗れるほどにはBLに手を出していないが、女性がゲイを好むのはある意味では当然だ。男性原理から離れた世界を親しく感じるのは不思議ではない。そのわりに自分は女性作家をほとんど読まない。あまりべったりされるのもイヤなんだろう。だからトーベ・ヤンソンとかガードルード・スタインが好きなのかもしれない。今気がついた。

カルロス・フエンテス「我らが大地」だけ邦訳が出ていない。企画としてはあるらしいが、スペイン語がたいへん難しいのだそうな。フェンテスは透明感があるというか、おどろおどろしくないというか、ガボやリョサほどの暑苦しくはないけど、決して読みづらくはない。もう少し読んでみた方が良い気がしている。ところでフエンテスなのかフェンテスなのか、表記が結構別れてるなぁ。ジョサ/リョサほどではないけれど。ドノソも好きだ。どろどろ妄想系とブルジョア系の差が激しくていい。

イサベル・アジェンデが「十大小説」に入っているのが若干疑問だが、「精霊たちの家」だけは確かに面白かった。「エヴァ・ルーナ」も悪くなかったし「パウラ」は別の意味で興味深い。しかし、それ以後が厳しかった。児童文学に走ったのは正解でしょう。やはりポスト・ブームと言えばこの人になってしまうのかな?ボラーニョとか...新書に載るほどの一般性はないのだろうか?

■書誌事項
著者:木村榮一著
書誌事項:岩波書店 2011.2.18 192p ISBN978-4-00-431296-3(岩波新書)

■目次
序──物語と想像力
1 ホルヘ・ルイス・ボルヘス『エル・アレフ』──記憶の人、書物の人
2 アレホ・カルペンティエル『失われた足跡』──魔術的な時間
3 ミゲル・アンヘル・アストゥリアス『大統領閣下』──インディオの神話と独裁者
4 フリオ・コルタサル『石蹴り』──夢と無意識
5 ガブリエル・ガルシア=マルケス『百年の孤独』──物語の力
6 カルロス・フエンテス『我らが大地』──断絶した歴史の上に
7 マリオ・バルガス=リョサ『緑の家』──騎士道物語の継承者
8 ホセ・ドノソ『夜のみだらな鳥』──妄想の闇
9 マヌエル・プイグ『蜘蛛女のキス』──映画への夢
10 イサベル・アジェンデ『精霊たちの家』──ブームが過ぎた後に

★主な作品リスト
"邦訳のあるもののみ,原著の刊行年順に示す。複数回訳書が刊行きれている作品については、出来るだけ入手しやすいと思われる版を挙げた。"というリストが巻末にあったので参考のためデータ化しておく。出来るだけ入手しやすい版という点を一部修正。上下巻あるものは上巻にだけリンクを貼った。

■ホルヘ・ルイス・ボルヘス
「論議」牛島信明訳,国書刊行会,2000
「永遠の歴史」土岐恒二訳,ちくま学芸文庫,2001
「伝奇集」鼓直訳,岩波文庫,1993
「エル・アレフ」木村榮一訳,平凡社,2005
「続審問」中村健二訳,岩波文庫,2009
「創造者」鼓直訳,岩波文庫,2009
「砂の本」篠田ー士訳,集英社文庫,1995
「ボルヘス,オラル」木村榮一訳,水声社,1987

■アレホ・カルペンティエル
「エクエ・ヤンパ・オー」平田渡訳,関西大学出版部,2002
「この世の王国」木村榮一・平田渡訳,水声社 1992(元ではサンリオ文庫だが入手しやすいのはこちら)
「失われた足跡」牛島信明訳,集英社文庫,1994
「時との戦い」鼓直訳,国書刊行会,1977
「光の世紀」杉浦勉訳,書肆風の薔薇,1990
「春の祭典」柳原孝敦訳,国書刊行会,2001
「ハープと影」牛島信明訳,新潮社,1984

■ミゲル・アンヘル・アストゥリアス
「グアテマラ伝説集」牛島信明訳,岩波文庫,2009
「大統領閣下」内田吉彦訳,集英社,1990

■フリオ・コルタサル
「遊戯の終り」木村榮一訳,国書刊行会,1990
「秘密の武器」世界幻想文学大系30,木村榮一訳,国書刊行会,1981
「石蹴り遊び」上・下,土岐恒二訳,集英社文庫,1995
「すべての火は火」木村榮一訳,水声社,1993
「愛しのグレンダ」野谷文昭訳,岩波書店,2008
「通りすがりの男」木村榮一ほか訳,現代企画室,1992
「コルタサル短篇集 悪魔の誕・追い求める男 他八篇」木村榮一訳,岩波文庫,1992

■ガブリエル・ガルシア=マルケス
「百年の孤独」鼓直訳,新潮社,2006
「族長の秋」鼓直訳,新潮社,2007
「予告された殺人の記録」野谷文昭訳,新潮社,2008
「コレラの時代の愛」木村祭一訳,新潮社,2006
「迷宮の将軍」木村榮一訳,新潮社,2007
「生きて,語り伝える」旦敬介訳,新潮社,2009
「エレンデイラ」鼓直・木村榮一訳,ちくま文庫,1988

■カルロス・フエンテス
「フェンテス短篇集 アウラ・純な魂 他四篇」木村榮一訳,岩波文庫,1995
「アルテミオ・クルスの死」木村榮一訳,新潮社,1985
「聖域」木村榮一訳,国書刊行会,1978
「脱皮」内田吉彦訳,集英社,1984
「遠い家族」堀内研二訳,現代企画室,1992
「老いぼれグリンゴ」世界文学金集II-08,安藤哲行訳,河出書房新社,2009
「セルバンテスまたは読みの批判」牛島信明訳,水戸社,1991
「埋められた鏡」古賀林幸訳,中央公論社,1996

■マリオ・バルガス=リョサ
「都会と犬ども」杉山晃訳,新潮社,2010(1987修正)
「緑の家」上・下,木村榮一訳,岩波文庫,2010
「ラ・カテドラルでの対話」桑名一博・野谷文昭訳,集英社,1984
「フリアとシナリオライター」野谷文昭訳,国書刊行会,2004
「世界終末戦争」旦敬介訳,新潮社,2010(1988修正)
「誰がパロミノ・モレーロを殺したか」鼓直訳,現代企画室,1992
「密林の語り部」西村英一郎訳,新潮社,1994
「官能の夢――ドン・リゴベルトの手帖」西村英一郎訳,マガジンハウス,1999
「チボの狂宴」八重樫克彦・由貴子訳,作品社,2010
「楽園への道」世界文学全集I-02,田村さと子訳,河出書房新社,2008
「果てしなき饗宴――フロベールと「ボヴァリ一夫人」」工藤庸子訳,筑摩書房,1988
「嘘から出たまこと」寺尾隆吉訳,現代企画室,2010
「若い小説家に宛てた手紙」木村築ー訳,新潮社,2000

■ホセ・ドノソ
「この日曜日」筑摩世界文学大系83,内田吉彦訳,筑摩書房,1976
「夜のみだらな鳥」鼓直訳,集英社,1984
「三つのブルジョワ物語」木村榮一訳,集英社,1994
「隣りの庭」野谷文昭・野谷良子訳,現代企画室,1996
「ラテンアメリカ文学のブーム」内田吉彦訳,東海大学出版会,1983

■マヌエル・プイグ
「リタ・ヘイワースの背信」内田吉彦訳,国書刊行会,1990(1980修正)
「赤い唇」野谷文昭訳,集英社文庫,1994
「ブエノスアイレス事件」鼓直訳,白水Uブックス,1984
「蜘妹女のキス」野谷文昭訳,集英社文庫,1988
「天使の恥部」安藤哲行訳,国書刊行会,1989
「このページを読む者に永遠の呪いあれ」木村榮一訳,現代企画室,1990
「南国に日は落ちて」野谷文昭訳,集英社,1996

■イサベル・アジェンデ
「精霊たちの家」世界文学全集II-07,木村榮一訳,河出書房新社,2009
「エパ・ルーナ」木村榮一,新谷美紀子訳,国書刊行会,1994
「エバ・ルーナのお話」木村榮一・窪田典子訳,国書刊行会,1995
「天使の運命」上・下,木村裕美訳,PHP研究所,2004
「パウラ,水泡なすもろき命」管啓次郎訳,国書刊行会,2002

■その他の作家たち
ファン・ルルフォ「燃える平原」杉山晃訳,書肆風の薔薇,1990
「ペドロ・パラモ」杉山晃・増田義郎訳,岩波文庫,1992
ロドリゴ・レイローサ「その時は殺され......」杉山晃訳,現代企画室,2000
ロベルト・ボラーニョ「通話」松本健二訳,白水社エクス・リブリス,2009
「野生の探偵たち」上・下,柳原孝敦・松本健二訳,白水社エクス・リブリス,2010
オラシオ・カステジャーノス・モヤ「崩壊」寺尾隆吉訳,現代企画室,2009

■本書で言及した文献
ウラジミル・ウェイドレ「芸術の運命アリスタイオスの蜜蜂たち」前田敬作・飛鷹節訳,新潮社,1975
小川洋子「博士の愛した数式」新潮文庫,2005
開高健「オーパ!」集英社文庫,1981
開高健「才覚の人 西鶴」「開高健全集」第20巻,新潮社,1993
ミラン・クンデラ「小説の精神」金井裕・浅野敏夫訳,法政大学出版局,1990
司馬遼太郎「街道をゆく 愛蘭土紀行」I・II,朝日文庫,1993
バァナァド・ショウ「思想の達し得る限り」相良徳三訳,岩波文庫,1931
ジョナサン・スウィフト「ガリヴァ旅行記」中野好夫訳,新潮文庫,1951
ジョージ・スタイナー「脱領域の知性――文学言語革命論集」由良君美ほか訳,河出書房新社,1972
種村季弘「魔術的リアリズム――メランコリーの芸術」ちくま学芸文庫,2010
新倉俊一「ヨーロッパ中世人の世界」ちくま学芸文庫,1998
バーナード・バーゴンジー「現代小説の世界」鈴木幸夫・紺野耕一訳,研究社,1975
フロイト「夢判断」上・下,高橋義孝訳,新潮文庫,1969
メダルト・ボス「夢」三好郁男ほか訳,みすず書房,1970
ホメロス「オデュッセイア」上・下,松平千秋訳,岩波文庫,1994
ハンス・マイヤーホフ「現代文学と時間」志賀謙・行吉邦輔訳,研究社,1974
クロード・エドモンド・マニー「アメリカ小説時代」三輪秀彦訳,フィルムアート社,1983

2001年12月 4日

現代ラテンアメリカ短編選集

■著者:桑名一博編
■書誌事項:白水社 1972.11.20
■内容
転轍手/フワン・ホセ・アレオラ
女王人形/カルロス・フエンテス
聖ヤコブの道/アレッホ・カルペンティエル
バルタサルの素晴らしい午後/カブリエル・ガルシーア・マルケス
アナ・マリア/ホセ・ドノソ
別れ/マリオ・ベネデッティ
ようこそ、ボブ!/フワン・カルロス・オネッティ
原住民/カルロス・マルティネス・モレノ
キルケー/フリオ・コルタサル
泥棒/グラシリアノ・ラーモス
太陽/バスコンセロス・マイヤ
■感想
入手困難だったアンソロジー。ようやく見つけた買えた。特にこのホセ・ドノソが読みたかった。...と期待していたほどではなかったけど。

2001年7月 2日

ラテンアメリカ怪談集

■著者:鼓直編
■書誌事項:河出文庫 1990.11 ISBN4-30-946080-1
■内容
火の雨(ルゴネス)
彼方で(キローガ)
円環の廃墟(ボルヘス)
リダ・サルの鏡(アストゥリアス)
ポルフィリア・ベルナルの日記(オカンポ)
吸血鬼(ムヒカ・ライネス)
魔法の書(アンデルソン・インベル)
断頭遊戯(レサマ・リマ)
奪われた屋敷(コルタサル)
波と暮らして(パス)
大空の陰謀(ビオイ・カサレス)
ミスター・テイラー(モンテローソ)
騎兵大佐(ムレーナ)
トラクトカツィネ(フェンテス)
ジャカランダ(リベイロ)

2001年4月20日

セルバンテスまたは読みの批判

■原題:Cervantes o la critica de la lectura, Carlos Fuentes
■著者:カルロス・フエンテス著,牛島信明訳
■書誌事項:水声社 1982.9.1 ISBN4-89-176262-4(叢書アンデスの風)
■感想:
フェンテスの評論。セルバンテスを小説の変革者と位置づけ、現代文学、とりわけジョイスとの関連で論じている作品。
こういうのが手に入るから、町田の高原はたまには足を運ばないと、と思ってしまう。ちなみにこれを購入した日は移転直前のセール中だった。駅からまた遠くなったなー。

2001年3月10日

『ユリイカ』1983年7月号 特集 ラテン・アメリカの文学

作品
  • 「ラス・マニャニータス」カルロス・フエンテス著,安藤哲行訳 p70〜87
  • 「リナーレス夫妻に会うまで」アドルフォ・ブライス=エチェニケ著,野谷文昭訳 p90〜101
  • 「南部高速道路」フリオ・コルタサル著,木村榮一訳 p122〜141
  • 「花壇の中のベスティアル」レイナルド・アレナス著,杉山晃訳 p150〜172
評論
  • ボルヘスの砂漠:畑山博 p50〜53
  • 「族長の秋」小感:高橋英夫 p54〜57
  • 大地母神と戦う錬金術師:日野啓三 p58〜61
  • テノチティトランの影(C.フェンテス):安藤哲行 p88〜89
  • ユーモアの影の孤独(エチェニケ):野谷文昭 p102〜103
  • 二十世紀小説とラテン・アメリカ:中村真一郎,鼓直 p104〜121
  • 時間の中のユートピア(J.コルタサル):木村榮一 p142〜143
  • ラテン・アメリカ文学とジャズ的なるもの:旦敬介 p176〜181
  • レイナルド・アレナスのめくるめく日々:杉山晃 p173〜175
  • ラテン・アメリカの演出家たち p144〜149
■感想 短篇4作品と評論。及び対談。すでに「ラテンアメリカ文学」特集号を入手していたため、長いこと存在に気づかなかった号。既読の小評論と対談で、特に目新しいものはなかったが、レイナルド・アレナスの作品を読んだのは初めて。期待できそう。

2001年1月17日

私が愛したグリンゴ

■著者:カルロス・フエンテス著,安藤哲行訳
■書誌事項:集英社 1990.1.25 ISBN4-08-773109-X
■感想
フェンテスはメキシコの作家である。メキシコ文学はスペイン文学のなかではスペインに次ぐ人気があり、有名な作家も多く排出している。フェンテスは中でもエリートで、父親が外交官であるが故にワシントンで小学校教育を受けている。この後チリなんかも行ってるが、この時、ドノソと同級生だったというエピソードが残っている。
人気があるが故に今一つさけていたため、私がこれまで読んだことがあるのは絶版になってない「遠い家族」「アルテミオ・クルスの死」くらいなもんか。たまたま古本屋で単行本を見つけたので読んでみた。集英社文庫から出ているものは、まだ絶版ではない。
本題は「老いぼれグリンゴ」。グリンゴはアメリカ人を若干侮蔑ぎみに呼んだ言葉で、ラテンアメリカ文学には頻出する言葉で、女性だとグリンガとかグリンギータになる。
主人公は「悪魔の辞典」のアンブローズ・ビアスがモデルになっている。1913年に書く命中メキシコに赴いたところまでしか消息がないのだが、遺っている手紙にメキシコで死ねたら最高!みたいなこと書いていることから、その後をフィクションで作り出した小説である。
フェンテスはメキシコ人のアイデンティティを執拗に追った作品を数多く発表しているが、この作品では「鏡」に何度もこだわっている。革命軍が地主のお屋敷に飛び込んで来てすべてを破壊しつくすが、「鏡」だけは残して行く。彼らは自分たちの姿を見たことがなかったのだ。「鏡」を見たことがメキシコ人のアイデンティティを喚起させた、というわけ。それだけではないけど。
ちなみに、映画にもなっている。設定はロマンチックだからなー。どーせ白人の年寄りと白人の若い(つっても30だけど)女性とメキシコの若い将軍の三角関係とかになってんだろうな。原作は全然違うムードなんだがな。ちなみに、映画データは以下のようになっている。