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2015年10月31日

グルプ消息不明/エドゥアルド・メンドサ

グルプ消息不明グルプと「私」は宇宙人で、調査のために地球にやってきたが、二人は離ればなれになってしまう。上官である「私」はグルプを探しながらバルセロナの街を歩き、住み、住民たちと接触していく。オリンピック間近に控え、工事中が多い街を歩く。

彼は自由に姿を変えられるので、過去の歴史上の人物を参考にするのだが、こんな格好で街歩けないでしょうが...というような人物が次々出てくる。この本でも最初の方は肖像画が添えられていたりして、笑える。同じアパートに住むシングル・マザーに接触しようとして、あれこれ考え、最初は成功するものの、おいおいやり過ぎだー!とこれもまた笑ってしまう。かと思うと、バルの老夫婦とほろりとした人情物のような関係を結ぶが、見舞いに行くときにやはり「やらかして」しまう。ハラハラしたり、意外と楽しそうなことにほっとしたり、読者が「私」を見守ってしまうような小説だ。

ある種のタイプの人々にとって、「私」の行動が不思議でも何でもなく、この世界の方がおかしい、と思うこともあるのだろうなとも思う。この物語の期間が16日間という短い間のせいか、ストーリーに勢いを感じる。一気読みをお勧めする。

■原綴:Sin noticias de Gurb, Eduardo Mendoza ,1991
■書誌事項:エドゥアルド・メンドサ著,柳原孝敦訳 東宣出版 2015.7.10(はじめて出逢う世界のおはなし―スペイン編)ISBN978-4-88588-085-8