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海の青(24p)

(シリーズ・ここではないどこか 第14話)

初出誌:「flowers」2009年7月号(2009年5月28日発売)p233〜256

スフィンクス(フラワーズコミックス)

小学館 22009.12.15 530円 ISBN978-4-09-167039-7

【登場人物】
浦島舞大学生
天草夜羽根舞の憧れの人。同じ大学の学生
川寺松男舞と同じゼミの学生
乙部愛夜羽根の取り巻きの一人
生方正臣作家。大学の臨時講師
【内容】
浦島舞はちょっとださい女子大生。同じ大学でいつも女子学生の取り巻きを連れている、チャラ男の天草夜羽根のことが好きなのだが、せっかく声をかけてもらっても、気後れしてろくに話も出来ない。そんな自分のことを実は人魚姫だと思っている。取り巻きたちのように着飾ってみても人間に化けた魚とすぐにわかる。人魚姫が王子様と話せなかったのは魔女にうつくしい声をとられたのではなく、王子様の前で一言も話せなかったからだと思っている。
舞が校内同人誌に投稿している小説を臨時講師の生方が目にとめ、マイナー文芸誌の新人賞に出すことを勧める。思いがけず1席が取れ、賞金10万円を受け取った舞は、思い切って夜羽根にデートを申し込むが、果たしてチャラ男の夜羽根が約束を守るだろうか…
【コメント】
聖ヨハネに浦島太郎、乙姫様といろいろと出てきますね。その上、ヨハネが谷中散策です。いろいろと突っ込みたいのですが、実はすべてに深淵な理由がありそうで、悩ましいところです。
取り巻きが大勢いて、ブランド品のTシャツを貢がれても、デートに35分遅れても、それが「フツー」の夜羽根くんは、実は本当に普通の貧乏学生でした。本気でもてているわけではなくて、ただ友達として楽しくやっているだけ、ということが彼は実はよくわかっているのかもしれません。
自信の持てない女の子が、素敵な男子をゲットしようとがんばるのは少女マンガの王道です。素敵な王子様がそんな自分の方を向いてくれるのも、少女マンガの王道です。でも、萩尾先生の場合、一筋縄では行かないです。
恋をしたときの恥ずかしい気持ちと王子様を殺したいと願う気持ち、そして勇気。それを人魚姫に託して、美しい物語にしてくれました。