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世界の終わりにたった1人で(63p)

(シリーズ・ここではないどこか 第13話)

初出誌:前編「flowers」2007年10月号(2007年9月1日発売)p143〜174/後編「flowers」2007年11月号(2007年10月1日発売)p209〜239
【登場人物】
生方正臣作家
生方洋宇子正臣の妻
生方清美正臣の長女
生方サトル正臣の長男
千田照比正臣の血のつながらない弟。正臣の母の再婚相手の息子
千田かおり照比の母親。巴の2度目の妻。
生方玲奈正臣の母親。
千田巴照比の父親。生方玲奈と再再婚した。
天海玲奈と巴の間に生まれた子。正臣とは異父兄弟、照比とは異母兄弟
大津ちづ画家。照比の師匠
中子大津ちづの娘
金倉美子大津ちづの孫
大川君江大津ちづの秘書
清美の級友
【内容】
生方は血のつながらない弟の千田照比から画家・大津ちづの個展の招待状を受け取る。照比は今ちづの弟子になっているらしい。個展にでかけて、「海」の絵についほろりとしてしまう生方。照比は「桜散る」という絵を気に入って、ちづからもらえるという約束を取り付けていた。

その後、大津ちづが亡くなり、葬儀が行われたが、照比が「桜散る」をもって逃げたという連絡が入る。照比をつかまえた正臣は絵をもって一緒に大津の自宅へ向かう。そこで照比の母親に出会う。照比には記憶がないが、照比が5歳までの間、大津ちづの家で世話になっていたという。その上、照比の父親に「海」の絵を譲るという遺言状が出てきたという。千田らと大津ちづには浅からぬ因縁がありそうで…。

【コメント】
前後編の2回に分けて発表されました。とても登場人物が多く、そして家族関係・人間関係が複雑ですが、その辺は上手に説明してくれています。東京オリンピックとか万博とか、年代もリアルです。おそらく1978年の宮城県沖地震が「誰もいない海」「世界の終わり」「何もかも流してしまう水」のイメージの源泉だったのでしょうか。

大津ちづが「世界の終わりにたった1人で」海辺にいて、会いたい人は誰でしょう?生方は14歳で亡くなった弟(宇宙船運転免許証にも出てきます)に会いたいとのこと。あなたは誰ですか…?

この作品は是非、ヤコブ・ガーデのタンゴ「ジェラシー」を聴きながら読みましょう。