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青いドア

(シリーズ・ここではないどこか 第11話)

初出誌:「flowers」2007年8月号(2007年7月1日発売)p61〜76
【登場人物】
沢山晴夫
沢山喜代子晴夫の妻
生方晴夫の先輩
【内容】
喜代子の父は長患いをしていて、この1年東京の自宅と名古屋の実家及び病院を行ったりきたりしながら看病を続けていた。父親は亡くなったが、その後憑きものがついたようにリフォームに精を出すようになる。まず手始めは玄関のドアをコバルトブルーに塗ることだった。それからペパーミントグリーンの壁と天井、白と黄色のカーテンといったふうに、一般家庭では内装・外装には使わない色彩を使うようになった。最初は気分転換をしたいのだろうと晴夫も容認していたが、喜代子のリフォーム熱は次第にエスカレートし、ついには大金をかけて温室を作ると言い出す。晴夫も
【コメント】
一生懸命看病をした人が亡くなると、気が抜けてしまい脱力感でいっぱいになる、というのは比較的よく聞く話です。それが何か趣味とかに向ければよかったんでしょうけれど、まぁリフォームも趣味と言えば趣味ですが、ちょっとお金がかかりすぎるので困ったものです。

ネタバレしますが、子供が出来て、異常なリフォーム熱は冷めるというオチです。一見ハッピーエンドに見えますが、実は彼女の熱意が子供に向けられてしまう方が不幸なんじゃないでしょうか。「これもきみの運命」でさらりと流しているあたりが萩尾先生はとても上手なんですが、子供にしてみたらさらりと流せないですよ。実に皮肉な結末で、すごいと思います。
2007.8.7