山へ行く
(シリーズ・ここではないどこか 第1話)
初出誌:「flowers」2006年4月号(2006年4月1日発売)p79〜94
山へ行く(フラワーズコミックス)
小学館 2007.7.20 530円 ISBN978-4-09-167027-4
- 【登場人物】
| 生方 | 小説家 |
| 生方の妻 | |
| 生方清美 | 長女。高校生 |
| 生方サトル | 長男。中学生ぐらい? |
| 岸 | (喫茶店)モカコーヒーのママ? |
| 五十嵐 | トマト出版の編集者。生方の担当 |
| カド屋電気 | 近所の電気屋 |
| 楠 | 清美のクラスメート |
- 【内容】
- 朝、目が覚めたとき今日は山へ行こうと思いつくが、生方の行く手には様々な障害が現れて…
- 【コメント】
- 「バルバラ異界」終了後、少し間を開けて始まった月刊『flowers』の16ページ読み切りシリーズ第一弾。この作品の主人公の生方は小説家でフリーランスなので、自分の行動を全部決められるという立場なのだけれど、サラリーマンだって土日の朝には天気が良かったりすると、「今日は○○をしよう」「今日は△△へ行こう」とステキな思いつきをして、ワクワクするものです。それが少しずつ、つまらない用事が積み重なったり、他人の些細な茶々が入ったりして、次第次第にしぼんで行き、夕方になってしまって、結局出来なかった、行けなかったということは起こることです。
- そんな小さな日常的な風景を、とてもわかりやすくさらっと短篇にしてしまう職人芸のような作品です。「山で頭がいっぱい」な状態から「山が薄れていく」状態へ、食い止めようと努力するのだけど、本当に自然と消えて行って、結局たどりつけない。いろいろなことが、そんなものなのかなぁと思う次第です。
- でも、「山へ行って山の一部となり」「人間を忘れてしまう」という詩的な言葉が、ちょっとSFチックに感じるのは、私だけでしょうか?