午後の日差し
初出誌「ビックゴールド」1994年14号(50p)
小学館 1994.7 500円 ISBN4-09-172032-3
小学館文庫 2000.12.10 514円 ISBN4-09-191381-4
小学館 2008.3.2 1680円 ISBN978-4-131224-2
- 【登場人物】
| 若村賞子 | 専業主婦。42歳。 |
| 若村ひとみ | 賞子の娘。予備校生。 |
| 若村ひとし | 賞子の息子。高校生。 |
| 若村? | 賞子の夫。 |
| 鳥飼カオル | 賞子の高校時代からの友人。 |
| 石井さん | 賞子の高校時代からの友人。 |
| 海部達夫 | 料理教室で知り合った青年。25歳。 |
- 【内容】
- 賞子は夫とワイドショーを見ているときに夫に言われた「夫婦なんて結局他人だ。」という言葉にショックを受ける。友人たちと通っている料理教室で知り合った青年・海部に年がいもなく惹かれていくのを感じるが…。
- 【コメント】
- 萩尾先生が専業主婦を主人公に昼ドラチックな作品に挑戦した作品。不倫とまでは行きませんが、夫婦の機微を描いた、こんな作品を描くなんて。まさに今までと違うものを描いてみようという意気込みを感じます。そして、ありがちな、つまらない作品になってないところはさすがです。
- 賞子は仲良くなった青年に好意を抱き、青年の方でも悪く思っていないような印象を受けます。しかし、娘の登場で目が覚めます。年齢というものは残酷なものだと思いますが、この場合、年齢というよりは意識の違いというか、育った時代の価値観の問題なような気もします。昔少女漫画を読んで恋に憧れ、結婚して、子供を育てて…という女性たちがどうなったのか、という話とも見えなくはありません。
- 主人公の賞子ですが、42歳で19歳の娘がいるなんて、ちょっと今の都会の人の感覚からすると若干若くして子供を産んでるかなと思います。発表当時はまだ25歳までに結婚して子供産まないと、という価値観が大勢を占めていました。萩尾先生が若かった頃なんて、もっとうるさかったことと想像できます。ひとみがはっきりと物をいうところが、ぼんやりとした賞子に比べて好感がもてます。若い人はいいわね、という萩尾先生の目線を少し感じます。
- この海部くんという青年は、母親、祖母、妹に囲まれた女系家族で育ったので、女性にまめで親切なのはごく当たり前のこと、という感じです。が、当時は珍しい生き物なので、賞子もひとみもなんとなく勘違いしてしまいます。料理もするし、今で言う草食系でしょうか?
- 『ビックゴールド』は1992年12月に創刊された、豪華すぎる執筆陣で知られた青年誌でした。もちろん『ビックコミック』の増刊号からスタートしている雑誌でしたが、今は休刊となっています。
2010.8.18