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偽王

初出誌「プチフラワー」1984年9月号(50p)

萩尾望都作品集・第二期 第8巻 訪問者

小学館 1985.5 580円 ISBN4-09-178028-8

半神

小学館文庫(新版) 1996.9 580円 ISBN4-09-191017-3

萩尾望都パーフェクトセレクション 9 半神

小学館 2008.3.2 1680円 ISBN978-4-131224-2

【登場人物】
若者ヴァルファルーから旅をしている
贖罪者神に捧げられた者
沐浴する人々若者に贖罪者のことを聞かせる
【舞台】
古代の西アジアのどこか,川沿いの神殿や砂漠,(回想と会話にしか出てこない王国)ヴァル・ファルー
【内容】
神殿で沐浴している人々が贖罪者のことを噂している。ヌー川の支流づたいに旅して来た若者は彼らから贖罪者のことを聞く。それは「罪を贖う生贄として」神に捧げられた者で、額に印を押され、目を打たれ、去勢され、放浪している者のことだ。人々は忌み嫌いながらも、神に捧げられたという理由で殺すようなことはしない。
若者は幼い頃体験した「わざわい」が忘れられず、美しく平和な母国ヴァル・ファルーに恋人を残して、1年近く旅をしている。そして贖罪者に出会い、旅の連れとなるのだが‥。
【コメント】
若者と贖罪者、この二人にピントをあわせて読みすすむうちに、その背景に「美しいヴァル・ファルー」が浮かび上がってきます。浮かび上がってくるとさらに、この二人の姿が鮮明になってきます。
若者は「わざわい」のことばかり考えるので、まるで「苦しい恋」のようだと形容しますが、これは哀しく恐ろしい錯覚です。
ヴァル・ファルーというのは美しい名前ですね。作者は発音しながら考えたのでしょうか。
文:まいが