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X+Y

初出誌「プチフラワー」1984年7月号,8月号(100p)

萩尾望都作品集・第二期 第17巻 A-A’

小学館 1984.11 580円 ISBN4-09-178037-7

A-A’―SF傑作選

小学館叢書 1995.9 1200円 ISBN4-09-197195-4

A-A'

小学館文庫 2003.9.10 562円 ISBN4-09-191385-7

【登場人物】
モリ養成中のESP。火星ソリス市に住む
タクト一角獣種の少年。「アレルギー・カルチャー」の一員。7歳以前の記憶がない
メリメザースのいとこ。タクトと結婚して有名人の妻になりたがっている
ザースタクトの友人「アレルギー・カルチャー」の一員
ジョージ医師。ムーンサルト博士から7歳のタクトを預けられて以来面倒を見ている
アンアン医師。ジョージの妻
ロマンタクトの友人「アレルギー・カルチャー」の一員
ライト・ムーンサルト博士タクトの父。トロヤ群に住む
マーブル ムーンサルト博士の同棲相手
モロゾフ博士モリの保護者
【舞台】
はるか未来の地球の都市シスコ。火星メガポリス。地球シスコ,火星,土星ミマス
【内容】
建設80周年記念の火星改造計画案「カナル・プラン」が募集され、この改造計画採用のための学会が火星でおこなわれることになった。地球からの参加したチーム「アレルギー・カルチャー」の中に一角獣種のタクトがいた。ところが、火星ヘ出発する前の検査でタクトの性遺伝子はXX(ダブルエックス)であることがわかった。タクトを育てたジョージ博士はタクトを父親のムーンサルト博士のところへ連れて行くよう、妻のアンアンを火星に同行させる。
火星に着いた一行はカイトレースに出場したモリと会う。次の日、学会で 「アレルギー・カルチャー」のタコ計画が発表されるが、会場は相転移ゲルによって大混乱になってしまう。会場をのがれたモリとタクトが共鳴をおこすことがわかった。
学術会議は続くガ、タイタン代表の提案で土星で水の移送実験を行うことになって、土星へ「アレルギー・カルチャー」にモリは同行して実験を手伝うことになった彼らの計画の実現には強力なESPが必要であった。土星ミマスからGリングへ、モリとタクトがスクーターで移動中にリングを構成する雪のかたまりに接触して遭難してしまった。
モリは無事救出されるが、タクトの行方はわからない。モリは必死で救出に向かうが…。
【コメント】
ここで登場する「モリ」は「4/4 カルトカース」から数年後のモリです。
個体として成長したのちに男性が女性化するのは「11人いる!」 から続くバリエーションです。タイトルのXとYですが 性染色体を示しているのでしょうか。個体の表現形と遺伝子レベルの性とは必ずしも一致しないので、単純に表現形が女性化しても 出産できないと思いますが、遺伝子レベルが♀で表現形が♂であれば 出産は可能ですね.萩尾先生の小道具としての性の使い方は 安心して見ていられます。
それに比べて、最近の「ミトコンドリアイブ」に代表される 遺伝子主導の生物ネタ作品はどうも違和感を私は感じてしまいます。この作品に「ゲルの相転移」がでてきますがこの作品発表の時期はほとんど一般には知られてなくて、珍しい現象として『サイエンス』のような科学啓蒙雑誌に一般紹介されたのはずっと後でした。
なぜこの作家はこんなことまで小道具にしてしまうのだと驚いたのを思い出しました。
(今度も科学おたくしてしまった 98.4.14 ひで)