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半神

初出誌「プチフラワー」1984年1月号(16p)

萩尾望都作品集・第二期 第9巻 半神

小学館 1985.3 580円 ISBN4-09-178029-6

半神

小学館文庫(新版) 1996.9 580円 ISBN4-09-191017-3

萩尾望都パーフェクトセレクション 9 半神

小学館 2008.3.2 1680円 ISBN978-4-131224-2

【登場人物】
ユージー双子の姉。妹とは腰のあたりでつながっている。知能は高いが、容貌は美しくない
ユーシー双子の妹。美しい容貌だが、知能は低い
双子の父大学教授
双子の母
ドクター双子の主治医
双子のおばさん
【舞台】
現代
【内容】
ユージーには、腰のあたりでつながっている頭の弱い双子の妹ユーシーがいる。そのためいっしょに歩くのも、妹の食事やトイレも、ユージーがこまごまと世話をしなければならない。おばさんたちは妹の美しさばかり褒めそやし、唯一の楽しみである勉強は妹にじゃまをされ、喧嘩をすれば父親に「知識はあっても、やさしい心はないのかい?」と諭されるように叱られて、ユージーのいらだちはつのっていく。
双子が13歳になったとき、ユージーにはユーシーを支えて歩く体力がなくなり、内臓の負担も大きくなって、二人に命の危険が迫っていた。そのため、ドクターは分離手術を行うことを提案した。そして…。
【コメント】
萩尾作品には、デビュー作から「双子」や双子のバリエーションとしての「クローン」が多く登場しますが、この作品がもっともはっきりと「双子ゆえの葛藤、複雑な愛憎」を中心に据えて「双子」を描いています。
ユージーのモノローグを多用し、短いページの中にいろいろな思いや、決して短くはない時間の移り変わりが凝縮されて表現されており、その濃度の濃さと、最後のページで迫ってくるように伝わるユージーのユーシーへの思いが、胸をつきます。
この作品の2年前に発表されたファンタジー「モザイク・ラセン」に脇の脇というような役で登場した「くっついた双子の兄弟」(兄は醜く魔法を使える・弟は美しく何もできない)をかいていらっしゃるうちに、「あれっ?これでまた話ができるじゃん」ということで、できた作品だそうです。小さな役の設定から、どうやって話を組み立て、深めてこの作品になったのでしょう。
【参考】
劇団夢の遊眠社により、舞台化されました。初演は1986年。
その際には、1977年にアメリカのSF作家レイ・ブラッドベリの短編を漫画化した作品「霧笛」からの「…その声をつくってやろう。…」という美しい文章もとりいれられています。
(文:まいが 1999.3.17)