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訪問者

初出誌「プチフラワー」1980年春の号(100p)

訪問者

小学館 1981.4 780円

萩尾望都作品集・第二期 第8巻 訪問者

小学館 1985.5 580円 ISBN4-09-178028-8

訪問者

小学館文庫(新版) 1995.9 580円 ISBN4-09-191014-9

萩尾望都パーフェクトセレクション2 トーマの心臓II

小学館 2007.7.31 1470円 ISBN4-09-131129-6

【内容】
「トーマの心臓」のオスカーが学校(シュロッターベッツ)に来る前のお話。オスカーの父・グスターフと母・ヘラと現シュロッターベッツ校長・ミュラーの3人は学生時代の友人同士で、ヘラはグスターフを選んで結婚したが子供ができず、ミュラーの子を産んだこと。薄々感づいていたが知らん顔していたグスターフがそのことを告げたヘラを殺して逃亡したこと、等が既に「トーマの心臓」の中で語られていた。その逃亡の旅における父子(と犬)の1年間を季節と場所を美しく描きながら物語は進められる。
【コメント】
オスカーが学校へ来たとき、グスターフを追いかけるオスカーの場面までしっかり「トーマ〜」と同じということは、既にこのお話の大筋は「トーマの心臓」の段階で出来上がっていたのではないか。5年以上も暖めていたのかもしれない。
ユリスモールの出会いの場面までしっかり同じ...かと思いきや、「トーマ〜」では最初っから大人びた少年であるオスカーが「訪問者」ではちゃんと子供らしく泣いている点が若干の矛盾であろう。
しかし「トーマ〜」におけるオスカーの典型的な狂言回しのような役どころ、主役ではないが重要な位置を占めていた。主役で別の1作描いてしまったり、かなり古くから登場するキャラクターである。作者もよほど好きなキャラクターだったのだろう。
「いつも家にいることの出来る子供でありたい」という願望は子供が自らの存在意義や安心感をを求める基本的な欲求を端的に表現したものである。二度と自分の家をもつことは出来なかったが、自分を受け入れてくれる人物を得ることは出来た。結局ミュラーの養子になるのだから。
2001.8.19

何年かぶりに読みました。大好きな作品の一つですが、もったいなくてあまり頻繁には読めません。20歳頃ハードカバーで読んだのが最初でした。そのときも心から感動しましたが、今「パーフェクトセレクション」に入っているのを読むと、何か胸がしめつけられるような気がします。トシをとって気持ちが弱くなっているのかもしれませんが、自分が男の子を育てているせいかもしれません…。加えて別冊に「湖畔にて」がついているので、余計に。オスカーみたいな強く明るい子になって欲しいと切に思います。
2007.7.26