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集会

(Bradbury傑作選)

原作:レイ・ブラッドベリ Homecoming

初出誌「週刊マーガレット」1978年32号(31p)

ウは宇宙船のウ―ブラッドベリSF傑作選

集英社 1978.12 300円(集英社漫画文庫)

萩尾望都作品集・第二期 第6巻 ウは宇宙船のウ

小学館 1985.12 580円 ISBN4-09-178026-1

ウは宇宙船のウ (小学館文庫・新版)

小学館 1997.9.1 495円 ISBN4-09-191020-3

十月のカーニヴァル 異形コレクション綺賓館1

光文社 2000年10月25日(カッパノベルス)ISBN978-4-33407407-4

【登場人物】
ティモシー
シシィティモシーの妹。
エナーティモシーの叔父。
エレンティモシーの姉。
ローラティモシーの姉。
とうさんティモシーの父親。
かあさんティモシーの母親。
【内容】
万聖節の宵祭(ハロウィーン)がやってくる。ティモシーの一家はハロウィーンでたくさんの招待客を迎える準備で忙しいが、ティモシーは出来そこないなので肩身が狭い。ティモシーらはパンパネラの一族なのだ。
集会にはティモシーの大好きなエナー叔父さんもやって来る。エナー叔父さんの力を借りて本来ティモシーも持っている「翼」を広げて「飛行」することが出来た。いつか自分だけの力で飛んでみたいとティモシーは思う。闇を好きになり、毒キノコもお酒も平気になりたいと願う。
翌日、日没後みな起きだして集会が始まった。ティモシーも手伝いをしているが、誰も彼の相手をしてくれない。妹のシシィは体は寝ているが魂だけをどこへでもとばすことができる。シシィに「何かみんなをあっと言わせたい」と頼むと、ティモシーの体の中にシシィが入って、お酒を飲んだり、飛んだり自由自在にふるまい、みんなの注目を浴びる。だが途中でシシィが出て行き、ティモシーは自分がやったことじゃない、と叫ぶ。
落ち込むティモシーを、自分は価値が低いなどと考えるなとエナー叔父が慰めてくれた。
次の集会は30年後。それまで自分は生きていられるかどうかとティモシーは思う。
【コメント】
最後の「青い死の影」の意味がそのまま受け取っても良いのですが、なんだかちょっと気になって原作を読んでみました。パンパネラはそのままでは(意図しなければ)鏡に映らないのに、ティモシーは鏡に映っている。原作ではみんなが棺桶で練るのに、このこはふつうの個室を与えられ、ベッドで寝ている。その個室に彼にだけ与えられた鏡があるという一節があります。彼が鏡に映ることは、それだけ彼に「魔」としての素質が少ないことを表してもいるのかなと思います。
テーマとしては「異端の中の異端」なんでしょうか。もともとパンパネラは人間から見たら「異端」です。その中で闇が怖かったり、毒キノコが食べられなかったりするティモシーは「異端」です。そこでエナー叔父にこんな言葉を語らせています。
怒るんじゃないよ…誰でもそれぞれの生き方というものがある。
おまえにだってね。
この世はわれわれにとって死んでいる…
いたるところで死んでいる。
そうさ。いちばん少ない生き方をするものが
いちばん豊かに生きることになる。
価値が少ないなんて考えるんじゃないよ…
いいかい
わたしのいったことを けっして忘れるんじゃないよ。
原作を読んだときには気持ちの悪いシーンだった蜘蛛がティモシーをなぐさめるシーンですが、萩尾先生の手にかかると、ほほえましいシーンになるのが不思議と言えば不思議です。
2010.6.22