左ききのイザン
初出誌「SFファンタジア」1978年4号(16p)1978
小学館 1978.6 480円 ISBN4-09-178014-8
小学館 1980.8 340円
日本漫画代表傑作選集 第6巻 SF漫画
日本漫画家協会編 実業之日本社 1980.12
小学館叢書 1995.9 1200円 ISBN4-09-197195-4
小学館文庫(新版) 1996.9 580円 ISBN4-09-191017-3
- 【登場人物】
| ブール博士 | 惑星プロメで遺跡の発掘調査をしている考古学者 |
| イザン | 4人を殺して逃亡中の犯罪者 |
| ヘルマロッド | イザンを追っている女性のよう |
- 【内容】
- 砂に覆われた無人の惑星「プロメ」。一人きりで調査活動をしているブール博士の目の前で、一隻の小型宇宙艇が墜落した。そこから降りてきたイザンと名乗る青年をキャンプに保護するが、高飛車な彼の態度に腹を立てると、いきなりイザンの左手から電気ショックのような攻撃を受ける。左手はサイボーグ化された武器で、それで四人の人間を殺したとうそぶき、博士を脅迫してしばらくここに潜伏することを認めさせた。その夜、気まぐれから博士の調査に同行したイザンの態度が、遺跡を見た瞬間急変する。いったいそこに何があったのか‥‥。
- 【コメント】
- 16ページのSF短編。苦みのきいたブラッドベリ風といったテイスト。短いながら奥行きが深く、「どういう意味なんだろう」と考えさせられ、様々な解釈が成立する。例えばサイコドラマなのか?とか、能みたいだ、とか。
- そして「ヘルマロッド」の存在もまた謎である。萩尾先生の数少ない小説作品に「ヘルマロッド殺し」という短編があるが、関係があるのだろうか?
- 「おれの右に立つなよ」とハードボイルド風のセリフを吐くイザンだが、実はそこに彼のもろさが露呈している。右手の動きを司る「左脳=言語脳」の弱さ、コミュニケーション能力の欠如による周囲からの孤立が暴発的な行動を誘発するという点でも。
- ちなみに、ブール博士は「銀の三角」にも登場し、ちょっとしたキーポイントを握っている人物である。
(2005.2.9 へびいちごさん)