泣きさけぶ女の人
(Bradbury傑作選)
原作:レイ・ブラッドベリ The Screaming Woman
初出誌「週刊マーガレット」1978年22号(22p)
集英社 1978.12 300円(集英社漫画文庫)
小学館 1985.12 580円 ISBN4-09-178026-1
小学館 1997.9.1 495円 ISBN4-09-191020-3
- 【登場人物】
| マーガレット(マギー) | |
| パパ | マーガレットの父親 |
| ママ | マーガレットの母親 |
| ヘレン | マーガレットの両親の同級生で隣に住んでいる。 |
| チャーリー・ネスビット | ヘレンの夫 |
| デビィ | マーガレットの友達 |
| ケリー | |
| アンナ | |
- 【内容】
- マギーがママに頼まれて買い物に行った帰り、いつもの空き地で地面の下から女の人が泣き叫ぶ声が聞こえる。マギーは慌ててパパを呼びに行くが、なかなか動いてくれない。ようやく連れて行くと、声はもう聞こえない。仕方がないので、自分で掘り出そうとすると、通りかかったデビィが手伝ってくれる。
- 空き地の持ち主のケリーに見つかって怒られ、マギーはケリーが奥さんを殺して埋めたのだと思いこみ、おまわりさんにそのことを告げる。おまわりさんにケリーの家に行ってもらうと、奥さんは生きていた。
- マギーは町中の人に訴えるが誰も相手にしてくれない。最後にお隣のヘレンの家に行くと、ヘレンさんはおらず、夫のチャーリーがいてマギーとトランプをして引き留める。
- 諦めて家に帰る途中、空き地では女の人はもう泣き叫んではおらず、歌を歌っている。家に帰ってパパにその歌を聞かせると、それがパパが昔ヘレンに作ってもらった歌であることに気づき、慌てて空き地を掘り始める。
- 【コメント】
- この作品はホラーっぽく見せて、実は現実的なところへ落としていく、というものだと思ったので、女の人は「地面の中で生きていて叫んでいる」のだと私は信じていました。「いそがないと女の人の箱の空気がなくなるわ」というマギーの台詞から、そう思ったのです。
- ところが最後のマギーの台詞が「まさか裏庭に女の人が殺されて埋められていたなんて…」とあるので、殺されたヘレンの怨念が叫ばせていたのでしょうか?それとも、ずっと生きていたのに、間に合わなくて死んでしまったのでしょうか?意図的にどちらともとれるように描かれたのかもしれません。
- ですが、原作を読むと、上記のような台詞はないので、ストレートに「ヘレンは地面の下で生きていた」と考えて良いかと思います。
- ヘレンは本当はずっとマーガレットの父親を愛していて、仕方なくチャーリーと結婚して隣に住んでいたのだと、私には思えます。そして最後に彼に歌を伝えたのだと。そう思うとロマンチックな物語でもあります。
- ですが、これは「子供のいうことを信じない怖い話」だと思うのです。やはりホラーですね。
2010.6.17