ウは宇宙船のウ
(Bradbury傑作選)
原作:レイ・ブラッドベリ R Is For Rocket
初出誌「週刊マーガレット」1978年14号(31p)
集英社 1978.12 300円(集英社漫画文庫)
小学館 1985.12 580円 ISBN4-09-178026-1
小学館 1997.9.1 495円 ISBN4-09-191020-3
- 【登場人物】
| C.M.クリストファ(クリス) | フロリダに住む少年。母親と二人暮らし。 |
| レイフ・ブライオリ | クリスの友人。両親はなく、ステーションで育った。 |
| ジェイン | クリスの母親。 |
| 先生 | クリスの担任の教師。 |
| 宇宙局の係官 | |
- 【内容】
- フロリダに住むクリスは終末ごとに宇宙空港へ行ってロケットの打ち上げを見ていた。大陸間ロケットや月まで行くロケット、そしてそれよりもっと先まで行くロケット。宇宙船は彼と友達のレイフにとっては欲しくて仕方がないものだった。
- 宇宙船の乗組員に志願することは出来ない。21歳までに宇宙航空委員会が選考することになっていて、青い宇宙局のヘリコプターが迎えに来るのだ。21歳の誕生日になっても迎えが来なかったら、それで宇宙船乗組員になることは諦めなくてはならない。
- クリスは宇宙船を思うあまり、勉強が手に着かず、成績が落ちてしまう。先生に呼び出され、成績が下がる一方では病院に行かなくてはならないと告げられる。
- ある日、いつも家に泊まって一緒に学校に行く友達のレイフが朝から先に学校に行ってしまっていた。母が迎えに来た友達に先に行ってもらうように言う。すると、ヘリが降りてくる。クリスは選抜されたのだ。もう待たなくていい。
- 毎年世界中から選抜された1万人のうち、8年後に残るのは3000人だけで、後の者の社会復帰を考え、母親や教師以外には知らせなくて良いと言われる。クリスは一人にになってしまう母親が心配だが、レイフに来てもらうと言われ、安心する。少年時代の最後の土曜日、クリスは宇宙空港へは行かず、友達と遊びまわる。
- 土曜の午後5時、クリスは宇宙空港へ出頭する。いつか帰ってくると誓って。
- 【コメント】
- 「ウは宇宙船のウ」というタイトルは「R is for Rocket」の邦訳なのですが、わざわざ「RはロケットのR」にしないところが秀逸です(「スは宇宙のス」というのもありますが、これは"S is for Space"の略)。少年の宇宙へのあこがれを叙情的かつさわやかに仕上げた原作です。かつて少年だった人に向けて書かれた作品なのでしょう。
2010.6.15