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ピカデリー7時

(ポーの一族シリーズ)

初出誌「別冊少女コミック」1975年8月号(31p)1975.6

ポーの一族 第5巻(フラワー・コミックス5)

小学館 1976.9 320円 ISBN4-09-130005-7

萩尾望都作品集 第9巻 ポーの一族 4

小学館 1978.1 480円 ISBN4-09-178009-1

ポーの一族 第2巻

小学館叢書 1988.8 1200円 ISBN4-09-197062-1

ポーの一族 第2巻

小学館文庫 1998.8.10 562円 ISBN4-09-191252-4

萩尾望都パーフェクトセレクション 7 ポーの一族 II

小学館 2007.12.26 1680円 ISBN978-4-09-131220-4

参考:ポーの一族年表
【登場人物】
ポールと同じホテルに勤めるボーイ。
ポリスター卿
リリアポリスター卿が育てていた娘。
ポールリリアの恋人。ホテルのボーイ
クックラッドの知り合いのチンピラ。
ラッド
エドガー
アラン
【内容】
ロンドン、ピカデリーサーカス付近のリージェントストリートにあるポリスター卿の館でチンピラのクックが殺されているのが見つかった。そしてポリスター卿の姿がない。ちょうどその日の朝、エドガーとアランが訪ねてきて、ポリスター卿の部屋を調べると、ラトランド地方が切り抜かれた地図が出てきた。エドガーたちはポリスター卿の行方を追う。
ポリスター卿の養女のリリアは恋人ポールとの交際を卿に反対されていた。卿はその前日に旅行に出る筈だったが、電報が来て旅行は延期。ポールとのデートが突然キャンセルになってしまった。ポールはデートだからと同僚のラッドに勤務を替わってもらっていた。ラッドはポールからポリスター卿の不在を聞いて、知り合いのチンピラ、クックと屋敷に忍び込んだ。二人は不在だったはずのポリスター卿に見つかり、ラッドは卿の旅行鞄をもって逃げ出したが、クックは…。
【コメント】
ピカデリーサーカスというロンドンの商業地区が舞台となっています。たくさんの商店街をかかえる通りが交差した、非常に栄えた地域です。少しずつ、ロンドンにお話が集約されていくのですが、この辺のエドガーのファッションが1960年代のロンドンっぽい感じがします。「ピカデリー7時」は何故か年代がまったく出てきませんが、おそらくは「小鳥の巣」周辺の時代と予想しました。
この作品でエドガーが「ポーの一族」たちと連絡を取り合い、しばらく見つからなくなっている「ポーの村」の入り口を探していることがわかります。ポリスター卿は幼いリリアを引き取り、20歳になるまで育てて、一族に加えようとしていました。この儀式のため、キング・ポーの許しが必要なのでしょう。ポールの存在を知ったポリスター卿が急いでリリアをロンドンから遠ざけ、予定より早いものの、急いで一族に加えようとしていたのだと思います。そのことをやはり「ポーの村」を探していたエドガーに知らせ、エドガーはポリスター卿の出発に間に合うようにしたのですが、列車事故のせいで到着が一日遅れてしまいます。つまり、ポリスター卿がいなくなったのはエドガーのせいとも言えるのです。好人物なだけに、非常に残念な気がしました。
エドガーはポリスター卿がどうなったのかすぐに気付いたので、ポリスター卿の行方を追っているのではなく、ポーの村の入口を追っていたのでした。
作品冒頭に再びマザーグースが登場します。「オレンジとレモン」です。セント・クレメント、セント・マーチン、オールド・ベイリーといったロンドンの教会の鐘の音のことを歌っているため、ピカデリーサーカス近くで朝聞こえた教会の鐘の音とひっかけているのか。あるいは、ポールとリリアの恋の物語がロンドン中を巡っているもののため、いわば幸せの記憶の象徴として引用しているのか、その両方かなと思いました。
2010.5.12