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温室

原作:イケダイクミ

初出誌「月刊セブンティーン」6月号(41p)1975.5

アロイス―萩尾望都傑作集

白泉社(花とゆめコミックス) 1976.8 370円 ISBN4-592-11610-0

萩尾望都作品集 第10巻 キャベツ畑の遺産相続人

小学館 1977.7 480円 ISBN4-09-178010-5

半神

小学館文庫(新版) 1996.9 580円 ISBN4-09-191017-3

萩尾望都パーフェクトセレクション 9 半神

小学館 2008.3.2 1680円 ISBN978-4-131224-2

【登場人物】
ランジュ・シャルヴィ1年生。幼い頃に父を亡くしている少年
ジョゼファーツ4年生
アデル・シャルヴィランジュの母親。女手一つでランジュを育てる。
ポーラシュトラーゼの別荘の管理人
【内容】
ジョゼファーツは同じ学校で全校生徒の憧れのまとであるランジェ・シャルヴィと突然義兄弟になった。ジョゼの父親とランジェの母親が双方子連れで再婚することになったからだ。貿易商の両親は仕事とハネムーンをかねてニューヨークに行った。そこでジョゼとランジュは夏の休暇をシュトラーゼの別荘で過ごすことになった。ジョゼの方が三つ年上だが、友達としてやって行こうとランジュに提案する。
二人で夏を楽しく過ごしていたが、ニューヨークから母親の手紙がきたりすると、二人だけで暮らしてきたランジュは心細くなり、つい泣いてしまうこともあった。
ある日、二人が川をボートで漕いでいくと、荒れ果てた温室がある。入っていくと、すっかり廃墟になっていたが、ランジュにバラのつるが絡んでくる。怖くなって外に出ると、ランジュには温室の中に何かがいるのが見える。人ならぬそれは、ジョゼには見えなかった。
ジョゼが書いた短編小説が本に掲載されることになったと連絡があり、ジョゼは街に本を買いに行く。ランジュは風邪気味だったこともあり留守番していた。あの温室が気になり、一人で訪れると、ドアが勝手に閉まり、出られなくなりそうになる。必死の思いで温室を逃げ出したランジュだが、温室はランジュを呼んでいた…。
【コメント】
ミステリアスかつファンタジックな作品。ランジュは絶世の美少年という設定のため、先生の描かれる美少年はもちろんいつも美しいのですが、このランジュについては、全力で美しく、かつ妖しい感じで繊細に描かれているように思えます。
温室に魅入られた少年がバラになるシーン、カラーで見たかったなと思います。
「ハワードさんの新聞広告」と同様、この作品も<イケダイクミ>氏の原作になります。初期から大泉サロンに出入りしていた方のようですが、資料に乏しく、不確かなことは書けませんので、ここでは不明とさせていただきます。
「月刊セブンティーン」に書かれたのはこれが最初です。集英社とのおつきあいが始まります。
2010.5.10