ペニー・レイン
(ポーの一族シリーズ)
初出誌「別冊少女コミック」1975年5月号(40p)1975.3
小学館 1976.1 320円 ISBN4-09-130004-9
小学館 1978.10 480円 ISBN4-09-178008-3
小学館叢書 1988.8 1200円 ISBN4-09-197062-1
小学館文庫 1998.8.10 562円 ISBN4-09-191251-6
小学館 2007.12.26 1680円 ISBN978-4-09-131220-4
- 【登場人物】
| エドガー | |
| アラン | |
| ドン | ポーツネル男爵のウィッシュの館の番をしている |
| ドンの娘 | 父親の手伝いをしている |
| 盗賊たち | |
| リデル | |
- 【内容】
- 「ポーの一族」でメリーベルと男爵夫妻を失ったエドガーはアランを仲間に加えた。アランの目覚めをウィッシュの館で迎えようと急ぐ途中、山賊に襲われる。山賊のアジトに連れて行かれたが、エドガーはそこで山賊を襲い、棺桶に入ったアランを取り返して再びウィッシュの館を目指す。館は番小屋のドンがきれいに管理していてくれた。
- アランはなかなか目覚めない。メリーベルが湿気に弱かったことを思い出し、アランの目覚めが遅いのは湿気のせいではないかと思う。ようやく晴れた朝、エドガーが目覚めると、アランは一人で館を出て行ってしまっていた。
- 山賊の生き残りが村に降りてきて、ドンの娘も殺された。アランは山賊に再びつかまってしまうが、目覚めた直後ののどの渇いたアランに逆にやられてしまう。アランもまた負傷してしまい、血が流れ出て止まらない。エドガーは新しい血が必要になるが、結束の堅い村人を襲うことはやめ、街道を通りかかった馬車を襲う。
- 馬車の中には貴族の夫婦と小さな女の子が一人いた。女の子の血の量はたいしたことはないし、残しておいても餓死か凍死するだけと思ったエドガーは、その女の子を連れて館に帰る。
- 暖炉を燃やし、乾いた空気を送り、新しい血を注ぎ込んだアランは、再び目覚める。エドガーとアランはこれから新しい旅に出る。そしてリデルも彼らとともに行くことになった。
- 【コメント】
- 「ポーの一族」でエドガーはメリーベルらを失いますが、代わりにアランという新しいパートナーを得ます。このアランの「目覚め」までをあつかった短編で、エドガーの回想シーンが多く登場します。メリーベルを失った悲しみや、アランが目覚めないかもしれないという不安に襲われていますが、もう140年も生きていますから、そこはやはり冷静かつ行動的です。
- ご存じのように「ペニー・レイン」というタイトルはBeatlesの曲名で、地名なのですが、ここでは「少しの雨」といった意味でしょうか。実際は大量の雨が描かれていて、一種の皮肉とも言うべきタイトルかと思います。雨続きで血や殺人が多く陰鬱な感じのシーンの多い作品ではありますが、最後にアランが目覚め、そして人形のようなリデルで救われます。
- エドガーは何故リデルを連れて行く気になったのでしょうか?「血の量はたいしたことはないし、放っておいても餓死か凍死、運良く誰かに拾われたとしても、両親のいない貴族の娘では行く末は知れている」と書かれています。だから仲間に加えるつもりだったのか…。それは次の「リデル・森の中」でわかります。
- 「神話の始まり」という言葉が出てきますが、まさに新しいポーの一族の始まりでしょう。
2010.5.7