キャベツ畑の遺産相続人
初出誌「週刊少女コミック」1973年15号(40p)1973.4
小学館文庫 713 1976.12 290円
小学館 1977.7 480円 ISBN4-09-178010-5
白泉社文庫 1996.9 620円 ISBN4-592-88326-8
- 【登場人物】
| ター・ブー・ベック | キング・ブリテン・グレープルの遺児 |
| ジョージー | 魔女。一番年長。35歳 |
| ポージー | 魔女。いつも魔法を失敗させている。 |
| プリン・パイ | 魔女。29歳 |
| ミミィ | ター・ブー・ベックのクラスメートの女の子 |
| 校長先生 | ミミィの父親。やもめ。 |
| ネンネ | ター・ブー・ベックのペットのネコ |
| キング・ブリテン・グレープル | ネパール山中で行方不明になった |
| マーチン | 宇宙人 |
- 【内容】
- グリン・グリン町のはずれはキャベツ畑とカリフラワー畑が広がり、その中に一軒の家が建っていた。この家に3人のオールドミスたちが住んでいて、そこへキング・ブリテン・グレーブルの遺児だという少年がやってきた。名前はター・ブー・ベック。早速翌日から学校へ行かされるが、突然帽子が爆発したり、畑からキャベツが家に押し寄せて来たり、不思議なことが起こる。それはポージーのかけた魔法の失敗だった。3人は魔女だったのだ。
- そんな中でもター・ブー・ベックは学校生活を送るが、ある日、教室にいるター・ブー・ベックにポージーが魔法で傘を届ける。そのことで叱られたター・ブー・ベックは罰として校長室の掃除を命ぜられる。そこで、雷がなると、校長先生はうさぎに変身してしまうという秘密を知ってしまう。どうもこの町の住人はみんなひと癖もふた癖もあるようだ…
- 【コメント】
- 練馬区大泉学園は1970年代当時キャベツ畑の広がるのどかなところでした。先生が住んでいらした家の周囲にあるキャベツ畑から創作された、ファンタジック・コメディです。
- 「ポーの一族」の「小鳥の巣」の前に描かれた作品ですが、同様にマザーグースの要素を取り入れ、魔女たちの名前を合わせると「ジョージー・ポージー・プリンにパイ」になるように仕込んであります。「エドガー・アラン・ポー」と同じです。
- この作品に出てくる登場人物の中に当時「大泉サロン」に出入りしていた漫画家の卵がいます。佐藤史生(2010年4月3日逝去)氏。鍋で核融合実験を行い、宇宙人と語るポージーです。個性的なキャラクターはそのままポージーだったそうです。「ハローイングランド」にも同じような絵柄で再登場します。
- この頃、萩尾先生は生涯の代表作となる「ポーの一族」「トーマの心臓」を描いているのですが、その中でもこのような楽しい作品を次々送り出しています。いろいろと先生の中で、あるいは対編集部としてバランスを取るために必要だったのかもしれませんね。
2010.4.28