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すきとおった銀の髪

(ポーの一族シリーズ)

初出誌「別冊少女コミック」1972年3月号(16p)1972.1

ポーの一族 第1巻(フラワー・コミックス1)

小学館 1974.6 320円 ISBN4-09-130001-4

萩尾望都作品集 第6巻 ポーの一族 1

小学館 1977.11 480円 ISBN4-09-178006-7

ポーの一族 第1巻

小学館叢書 1988.7 1200円 ISBN4-09-197061-3

ポーの一族 第1巻

小学館文庫 1998.8.10 562円 ISBN4-09-191251-6

萩尾望都パーフェクトセレクション 6 ポーの一族 I

小学館 2007.12.1 1680円 ISBN978-4-09-131219-8

参考:ポーの一族年表
【内容】
14歳のチャールズは家庭教師について勉強している。午後になって姉のアンナのピアノの音が聞こえてくると、家庭教師はそわそわしていなくなってしまう。そこでチャールズは出かけて行く。外は春。
チャールズは町はずれの古い屋敷でメリーベルという少女と出会う。一目で恋に落ちたチャールズは足しげく通って遊ぶが、その屋敷は気味が悪いと評判が悪い。
メリーベルには兄のエドガーがいる。チャールズは自分と同じ年のはずのエドガーの百も歳をとったかのような冷たい青い目が気になる。
メリーベルは昔おばあさんに教わったという歌を歌う。兄と二人を育ててくれたおばあさんがなくなると今の両親が親代わりにひきとってくれたが、いつも旅行をしていて一つところにいないと語る。
春が終わらないうちにメリーベルとその一家は引っ越して行く。それから30年あまりを経ても、チャールズの心の中にいる少女は成長しないまま、初恋は時間が止まったままである。
銀婚式の日、チャールズは町でメリーベルそっくりの少女に出会う。メリーベルの娘だと思って少女に自分の初恋を語る。メリーベルに教わった歌を歌うと少女はその歌を知っていた。
いぶかしむチャールズの前に少年が現れる。少女を「メリーベル」と呼ぶ少年の姿はまさにエドガー。二人は馬車で去って行く。少女の時は止まっていた。
【コメント】
名作「ポーの一族」の幕開けは意外なほどさらっとしていました。フラワーコミックスの編集方針は実はよくわかんないんですけど、雑誌掲載時と同じ順序で排列した叢書版では「作品の流れ」に沿って読むことが出来ます。私はこちらをお勧めします。
しかしこれから始まる壮大な物語に、これほどふさわいしい幕開けはありません。何故二人は歳をとらないのか?エドガーの暗く冷たい青い目は何を語ろうとしているのか?伏線が上手く織り込まれています。
明るくかわいい物語に一見見えますが、その中に影を投げかけているのがエドガー。彼の存在の不気味さがより一層浮き上がるように仕上がっているようです。
オープニングはピアノの音。エンディングは歌で終わります。そのせいもあり、物語全体が音楽のようなリズムで語られていきます。
「メリーベルおいで」。これは確かにマンガで、絵がエドガーだからこそ出来るワザなんですが、私には前編に流れる音楽が、この瞬間だけCut Outされているように聞こえます。非常にイメージが膨らむシーンだと思いました。