毛糸玉にじゃれないで
初出誌「週刊少女コミック」1972年2号(25p)1971.12
小学館 1977.2 480円 ISBN4-09-178005-9
小学館文庫 719 1984.12 380円
- 【内容】
- 高校受験をひかえた小川むつきは、受験勉強しているが志望校すれすれのところにいる。ある日学校帰りに捨てられていた子ネコを拾い、家に連れて行く。母親には反対されるが、何とか面倒をみて飼おうと努力する。
- むつきは化学は得意だが、英語が苦手。必死になって勉強している級友をよそに星という少年はのん気に遊んでいる。
- 期末テスト中、カンニングの疑いをかけられたむつきだったが、星に助けられ、無事試験を受けることが出来た。しかしテストの結果はかんばしくなく、もう少し努力しないと志望校に入れないと教師に言われる。
- 家に帰ると母親が勝手に子ネコを捨ててしまっていた。あわてて探しに出るむつき。子ネコは公園にいた星が拾ってくれていた。彼は成績がいい方なのだが、必死で受験勉強して、すれすれで高校に入っても、大変な思いをするだけで、それよりはランクを下げて高校に入り好きなことがしたいと語る。
- 自分が何をやりたいのか悩んだ末、むつきは自分の母親のようになりたいと決意し、彼と同じようにランクを下げることにする。
- 以前よりゆったりと受験勉強をするむつきは、今は星のためにセーターを編んでいる。
- 【コメント】
- 日本の普通の女の子を描いた作品です。さりげなくですが、結構真剣に受験勉強について語られています。本当にやりたいことは何かを考え始める読者に向けて、優しく語りかけているような作品です。
- どうも、その後の作品が、こういう平凡で身近なテーマを越えてしまったようなところがあるのですが、だからと言って決して馬鹿にしているわけではないことが感じられました。
- 何と言ってもこの作品は猫が主役です。こたつにしがみついて必死で昇る子ネコのけなげな姿や毛糸玉のような子ネコが毛糸玉にじゃれている様子が、ふわふわとして質感で描かれています。これを描きたくてこの作品を描いたのでは?と思うほどです。
- 主人公が子ネコを拾う場所は、キャベツ畑です。そろそろ大泉サロンの様子が作品に出て来始めました。