11月のギムナジウム
初出誌「別冊少女コミック」1971年11月号(45p)1971.9
小学館文庫 711 1976.4 330円
小学館 1977.5 480円 ISBN4-09-178004-0
小学館文庫(新版) 1995.12 580円 ISBN4-09-191015-7
小学館 2007.7.31 1470円 ISBN4-09-131129-6
- 【内容】
- 11月の第一火曜日、転校生エーリクがヒュールリン・ギムナジウムへやってくる。エーリクは家庭不和から素行不良で前の学校を退学になってしまい、全寮制の学校に放り込まれたのだ。
- 学校にはエーリクとそっくりなトーマという少年がいた。ストレートな金髪と水色の目をもったトーマは学校のアイドルで、逢った瞬間トーマは笑いだし、エーリクは怒ってトーマをひっぱたく。それがトーマをお気に入りのオスカーの耳に入り、エーリクはオスカーからちょっとした歓迎を受けることになる。
- 週末になり、生徒たちは家に帰っていくが、エーリクは帰らず学校に残る。トーマの家は両親と年の離れた姉が4人もいる。トーマは学校には転校生が来て、友達になれそうだと語る。
- オスカーはエーリクが休日に学校に帰らないことに気づき、家庭に問題があるだろうと察してエーリクにかまをかけてみる。それが図星だったエーリクはオスカーを殴って教室を飛び出してしまう。
- エーリクは学校の外の草地でエスケープ中のトーマと出会う。トーマは自分には15歳離れている、もう死んだ兄がいて、彼の写真を見ると茶色の巻き毛でエーリクとそっくりだと語る。友達になろうと提案するトーマにエーリクは・・・。
- 【コメント】
- さて「トーマの心臓」の元となった物語です。登場人物はエーリク・ニーリッツ(→フリューリンク)、トーマ・シューベル、オスカー・ライザー、フリーデル委員長(ユリスモール・バイハン)と一通り揃いました。
- 登場人物、エーリクとトーマがうりふたつだという点、ギムナジウムという舞台設定が「トーマの心臓」と同じですが、それ以外は全く別の物語と言っていいでしょう。
- ここでずーっと続いてきた「ふたご」というモティーフは一つの頂点を迎えます。生き別れた双子が出会った時、一人は消えなければならない運命にありました。
- 大人たちの作った秘密に押しつぶされたトーマは、エーリクの母親(つまり自分の産みの母親)にエーリクのふりをして逢いに行ったために、風邪をこじらせて死んでしまいます。結局は両親のつくった罪によって殺されてしまったような、そんな印象をもちました。