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小夜の縫うゆかた

初出誌「週刊少女コミック」1971年夏の増刊(16p)1971.6

トーマの心臓 第3巻(フラワー・コミックス43)

小学館 1975.6 320円 ISBN4-09-130043-X

11月のギムナジウム―ロマン短編集

小学館文庫 711 1976.4 330円

萩尾望都作品集 第2巻 塔のある家

小学館 1977.4 480円 ISBN4-09-178002-4

萩尾望都パーフェクトセレクション 9 半神

小学館 2008.3.2 1680円 ISBN978-4-09-131224-2

珠玉の名作アンソロジー 1 家族の情景

小学館文庫 2009.11.19 619円 ISBN978-4-195011-6

【内容】
中学生の小夜は2年前に母親を亡くし、兄と父の3人暮らし。家庭科の宿題で浴衣が出た。小夜は母親が縫うつもりで縫えなかった布を出し、自分で縫い始める。母親との想い出を辿りながら...
【コメント】
高橋留美子絶賛の短篇。日本の情緒が細やかにしっとりと、それでいて明るく描かれていて、まったくもって傑作です。
外国が舞台になることが多い作家ですが、これほど純和風の叙情あふれる作品もあるんです。この他に私が気に入ってるのは「赤ッ毛のいとこ」です。
特に浴衣を縫いながら、小夜が昔を想い出すシーン。ふっと時がかえって回想シーンに入るのですが、あの上手さったらないですよ。
兄の友人にほのかな憧れを抱き、彼が他の女性に眼を向けると拗ねてしまう少女の愛らしさも、嫌味が全くなく、さらりと描かれています。
また、子供の頃母親が縫ってくれた浴衣を、今は自分で縫うという、少女が大人になっていく過程をみずみずしく描いた作品でもあります。
こういう作品に出会うと、私は頭の中で音読してみたくなるのです。もちろん絵があっての漫画ですし、絵も素晴らしいのですが、あまりのストーリーの素晴らしさに、つい音だけで作品を再現したくなります。全てがフェード・イン、フェード・アウトで構成されたラジオドラマのようだと思うのです。読んでいるとお祭りの音が聞こえてくるような気がしてならないのです。