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モードリン

初出誌「週刊少女コミック」1971年29号(40p)1969.5

アロイス―萩尾望都傑作集(花とゆめコミックス)

白泉社 1976.8 370円 ISBN4-592-11610-0

萩尾望都作品集 第2巻 塔のある家

小学館 1977.4 480円 ISBN4-09-178002-4

ポーの一族 第2巻

小学館叢書 1988.8 1200円 ISBN4-09-197062-1

【内容】
 夏の嵐の夜、なかなか寝つけなかったモードリンは母親の部屋へ行こうとするが、その途中、慌てて階段を駆け上がるウイルおじさんを見かける。階下には倒れた庭師のクレーじいやの姿があった。じいやの手の中にはウイルの腕時計があった。
 翌朝クレーじいやの死は事故として片づけられる。モードリンは昨夜見たことを人に言おうとしない。ウイルおじさんが大好きだったためと、彼と秘密を共有することで大人に認められたかったためだ。その秘密はモードリンが自ら選んだ秘密なのだが、やはり子供は子供。言動が少しおかしくなり始める。
 秋になり、父親の友人で作家のブライスがモードリンの家に滞在する。彼はクレーが死んだ夜から動かなくなった大時計の謎を簡単に解き明かしてしまう。大時計が動かなくなったわけは...
【コメント】
かなり初期に描かれた作品であるにもかかわらず、発表までに時間がかかったようです。
善悪の区別よりも大人であることを認めてもらいたがるという、背伸びをしたい子供の我儘さと残酷さ。それより更に残酷で我儘な男の結構恐ろしい物語だと思います。ちょっとモードリンの心理は子供向け雑誌には危ないものがあったのではないでしょうか?
しかし、モードリンがクレーの死を軽く扱ったのは、お葬式の場面での大人の対応を見ていてのこと。「大人たちがクレーの死よりも弔問客の食べ物や弔問客の服装が気になるのなら」自分も「自分が知っているということが気になる」とはっきり描かれています。
大人の態度をどれほど鋭く子供は観察しているか、ということもまた恐ろしい。怖いですね。