The Hotel New Hampshire, 1981

「ホテル・ニューハンプシャー」

中野圭二訳 新潮社
1939年夏の魔法の一日、ウィン・ベリーは海辺のホテルでメアリー・ベイツと出会い、芸人のフロイトから一頭の熊を買う。こうして、ベリー家の歴史が始まった。ホモのフランク、小人症のリリー、難聴のエッグ、たがいに愛し合うフラニーとジョン、老犬のソロー。それぞれに傷を負った家族は、父親の夢をかなえるため、ホテル・ニューハンプシャーを開業する。/フロイトの招きでウィーンに移住したペリー一家は、第二次ホテル・ニューハンプシャーを開業、ホテル住まいの売春婦や過激派たちとともに新生活をはじめる。熊のスージーの登場、リリーの小説、過激派のオペラ座爆破計画…さまざまな事件を折りこみながら、物語はつづく。現実というおとぎ話の中で、傷つき血を流し死んでゆくすべての人々に贈る、美しくも悲しい愛のおとぎ話。
新潮・現代世界の文学 上下 1986.6.25 各1,700円 上:ISBN4-10-519102-0;下:ISBN4-10-519101-2


新潮文庫 上下 1989.10.1 各560円 上:ISBN4-10-227303-4;下:ISBN4-10-227304-2

「ホテル・ニューハンプシャー」

1986年7月 109分 アメリカ
監督:トニー・リチャードソン Tony Richardson
製作:ニール・ハートレイ Neil Hartley
脚本:トニー・リチャードソン Tony Richardson
撮影:デヴィッド・ワトキン David Watkin
音楽:レイモンド・レポート
出演:ジョディ・フォスター Jodie Foster
ロブ・ロウ Rob Lowe
ポール・マクレーン Paul McCrane
ボー・ブリッジス Beau Bridges
ナスターシャ・キンスキー Nastassja Kinski
ほか
熊、ウィーンといったおなじみのアイテムがそろう中、「レイプ」という性的暴力が大きく取り上げられている作品。好きなのに、どうしても何度も映画を見る気になれないのは、ひとえにこのシーンのせいかと思う。
実は、ジョディ・フォスターとナタキンの豪華な組み合わせに惹かれて映画を見てしまったのが、アーヴィングにはまるきっかけだったりする。一見、平和なアメリカの一家が、どんどん変てこりんな人たちになっていくのが不思議でしょうがなかった。悲しいことが相次ぐのに、その悲しみを抱えたままにもかかわらず、なんてパワフルな人たちだ。このポジティブさが暗いヨーロッパ文学ばかりの世界に囲まれていた私にどれほどパワーを与えてくれたことか。
You have to keep passing open the window.って座右の銘かも。