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2017年7月15日

Jill-Decoy association のこと

Jill-Decoy associationJill-Decoy association、略してジルデコ。Ego-Wrappin'の森雅樹がアレンジした「光のこどもたち」で知った。その後も時々目にしていたから気になって、Amazon Prime Musicでアルバムを3枚聞いた。それから全アルバムを聴いた。

このところ2回、ライブに行ってる。
2017.2.25:Motion Blue
2017.5.14:
ジルデコ360° Premium Live in 竹あかり~ voyage tour Final ~

本場で鍛えられたJazzギタリストとドラマー、音がよくて、曲もよくて、ボーカルもまぁまぁ好きな方です。伸びやかで良い声でそんなにキンキンしていない。私には耳障りな女性ボーカルが多すぎる。音がよくても女性ボーカルの声質が気に入らないバンドが多いので貴重。ところが、歌詞がかなり残念。全部の歌詞が、ではないが半分近くちょっと?と思う。
若い女性の思いをそのまま綴った歌詞がまざることが多い。日常を離れたい音楽で一人の女性としての心情を「そのまま」歌われるのは拒絶反応がある。だから歌詞は聴かないようにしている。2度ライブ行って、曲も好きなんだけど、どうにももったいないなぁと思って、書いています。

こういう記事を読んで、更にその思いは強くなった。
特集:JiLL-Decoy association~常に新鮮な音楽を届けるジルデコの秘密(Billboard Japan)

彼女が描く歌詞の世界は、いわゆるジャズにありがちなクールで距離をおいたような感覚は薄く、同世代の女性が共感できる身近な恋愛や友人、家族などがテーマになっていることが多い。加えて、女性特有の情念を込めた内容であることも多く、言葉だけを取り出すとどこかウェットで感情的なところも特徴のひとつだ。

聴衆には若くてオシャレな女性が結構いて、共感するのだろうけど、彼女たちが歳をとるのにつれて、歌詞も歳を取るようになるのだろうか?

同じことを歌うのに、もっと比喩的に、高い表現力を使った歌詞は書けないものなのか。すごくいい曲なのに、どうにももやもやする曲の代表格に「わすれな草」があります。とても叙情的で良い部分と残念な部分が混ざり合っていて、繰り返し聴く気が失せる。
この傾向が5枚目の「ジルデコ5」から加速度的に強くなり、最新盤の「voyage」へ向けてひどくなってるなと思う。「航海」なんていい曲だなと思うのだけど、埋もれてしまっている。

「女性としての心情をそのまま歌った歌詞」。やるなとは言わないけれど、アーティストとして、このままでいいのかと。別にオシャレなジャズシンガーにならなくていいけれど、もうちょっとなんとかならないのかなぁ。吉田美和になりたいのはわかるけど、彼女はもっといい歌詞書いてますけれども?と。

そして、どうしても言いたくなった理由はやはり、paris matchの古澤大氏の歌詞を聴いたから。一時期あそこもミズノさんが歌詞を書くようになってちょっと違和感を覚えたのを思い出す。短い期間ですぐにやめている。それでよかったと思います。最近あまりいないのだけど、作詞に専念している人に一度書いてもらうといいのでは?と思います。
Jill-Decoy association Official Youtube