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2014年9月

2014年9月22日

Taeko onuki 40th ANN1VERSARY Best of my songs Taeko Onuki

Best of my songs Taeko Onuki大貫妙子40周年記念の自選ベスト。2014年3月28日東京国際フォーラムでの40周年記念コンサート、9月15日のビルボード・ライブ大阪、9月19日のビルボード・ライブ東京でのアンコール公演にて販売された記念CD。冊子もついている。

自選っておもしろい。「Lucy」から4曲、「one fine day」「Note」「emsemble」「コパン」から2曲ずつなど。あまり古いものは入っていないし、いわゆるベストアルバムに入る曲は少なめ。更にインストの曲も入っている。自分の楽曲として気に入ったものばかりなのだろう。

ヒット曲揃いというわけではないところがいい。でも本人がよいと思う曲だけあって、ずっと繰り返し聞いてしまう。これはすごいベスト盤だ。

Best of my songs Taeko Onuki
01. 船出 「one fine day」 2005 (5:18) 作詞:糸井重里 作曲:大貫妙子 編曲:森俊之
02. LULU 「Lucy」 1997 (4:28) 作詞・作曲:大貫妙子 編曲:坂本龍一
03. Happy-go-Lucky 「Lucy」 1997 (4:25) 作詞・作曲:大貫妙子 編曲:坂本龍一
04. snow 「Note」 2002 (4:25) 作詞・作曲:大貫妙子 編曲:山弦
05. Volcano 「Lucy」 1997 (4:50) 作詞・作曲:大貫妙 編曲:坂本龍一
06. 空へ 「Lucy」 1997 (5:25) 作詞・作曲:大貫妙子 編曲:坂本龍一
07. 東京日和 [ピアノヴァージョン] 「東京日和」 1997 (2:31) 作曲:大貫妙子 編曲:フェピアン・レザ・パネ
08. 虹 「Note」 2002 (4:09) 作詞・作曲:大貫妙子 編曲:森俊之
09. Jacques-Henri Lartigue 「コパン」 1985 (3:11) 作詞・作曲:大貫妙子 編曲:清水信之
10. 色彩都市 「クリシェ」 1982 (3:35) 作詞・作曲:大貫妙子 編曲:坂本龍一
11. 宇宙みつけた 「カイエ」 1984 (3:45) 作詞・作曲:大貫妙子 編曲:坂本龍一
12. ぼくの叔父さん 「Slice of Life」 1987 (3:09) 作詞・作曲:大貫妙子 編曲:清水靖晃
13. カイエI 「カイエ」 1984 (2:02) 作曲:大貫妙子 編曲:KEAN MUSY
14. L'ecume des jours うたかたの日々 「ensemble」 2000 (3:04) 作詞・作曲:大貫妙子 編曲:PIERRE ADENOT
15. RANDEZ-VOUS 「ensemble」 2000 (3:30) 作詞・作曲:大貫妙子 編曲:PIERRE ADENOT
16. Time To Go 「one fine day」 2005 (5:32) 作詞・作曲:大貫妙子 編曲:森俊之
17. Kiss The Dream 「attraction」 1999 (2:50) 作詞・作曲:大妙子 Chorus Arrangement:フェピアン・レザ・パネ
18. 3びきのくま 「UTAU」 2010 (4:19) 作詞:大貫妙子 作曲:坂本龍一 編曲:坂本龍一

2014年9月21日

大貫妙子 40th ANNIVERSARY LIVE / ENCORE

大貫妙子 40th2014年春、東京国際フォーラムでの40周年記念コンサートがあったのだが、日程的に行けなかった。それをWOWOWで放送され、うっかり見てしまい、ひどく後悔した。すると、ビルボードで追加公演をやってくれるというお知らせが来た。とてもありがたい。

「ピーターラビットと私」がオープニング。「海と少年」の後、まだ録音していない曲をやると語り出したら、「違う」との声が。一曲飛ばそうとしたらしい。その曲が「新しいシャツ」と聴いて驚く。飛ばさないで下さい、大事な曲を。生フェビアン・レザ・パネのピアノ。本当に、特別個人的な思い出があるわけではないのに、聴いていると自然と涙がこぼれる。夢のよう。

おたがいがとても必要だった頃、苦しみも多くて、眠れぬ夜には山ほど手紙を書いた

「朝のパレット」というのは新曲で、まだレコーディングもしてない。曲をつくって、レコーディングして、ツアーに出る、というのをずっとやり続けてきたから、これから先は曲をつくって、ライブで歌いこなしてからレコーディング、というのをやりたい、それが以前から理想だと思っていたとのこと。曲をそんなにたくさん送り出すわけでもないし、と。ご自分のペースでつくられたいのだろうと思うのだけど、1年2曲で5年かけて1枚、というのは、ちょっと...もうちょっと3年に1枚くらいにしていただけないでしょうか?

東京国際フォーラムのMCでも話していた、ツインドラムの説明。ドラム1台では足りない曲が多い。その場合通常はドラムとパーカッションで行くかもしれないが、そうするとラテンっぽくなって、ちょっと違うのだと。と言いながら、「Berimbau Do Bem」を演るという...これはブラジル音楽では...?

「夏に恋する女たち」でカーテンががーっと開いて六本木の夜景が現れたときは、あざといと思う前にゾクッとした。30年以上前の六本木を舞台にしたトレンディドラマ(の走り)の主題歌だった。「もう私の育った東京ではない。当時から見たら、まるでSFですが、人は変化を受け入れるものです。」伊藤銀次がドラマの音楽を担当し、主題歌に採用したといういきさつがある。

「Happy-Go-Lucky」はくさくさすると、繰り返し聴いてしまう。

晴れた日には すれちがうひとがみんな しあわせに見える時がある
いつも何かにおこっている自分が なんだかばかに見えるわ

「都会」は本当に初期の頃だった。まだSugar Babeの頃に近い感じ。都会を去ろうという曲なのだけど、オシャレというなんだか矛盾する曲だなと思っていた。"その日暮らしはやめて、家に帰ろう一緒に"というフレーズがずっと頭に残っていた。

「はるかなHOME TOWN」京成スカイライナーのCMに使われた曲で、ライブでは非常に珍しい(女性版(1)女性版(2)。男性版は見あたらないが、あったはず)。


ところで、私にとって大貫妙子は、音楽を聴く年齢としては、物心つく前から聴いていたような数少ない存在だ。中学生くらいかもしれない。以来、新譜が出れば必ず買う、という類の追いかけ方はしていないが、気付くとふとLPやCDを買って聴いている。無理に情報を追いかけることはしていないが、本当に日常的に自然と聴いていた、そんな存在だった。余計なへ理屈が入る前に聴けたのが良かったのだろう。日本の女性ボーカリストの中で一番長く聴いていて、一番好きな人。リアルタイムでは「Cliché」の頃から聴いている。すぐにSugar Babeに戻って、また一からぽつぽつと聴いていたような記憶がある。

一声その声を発すれば、その場を一瞬で自分の世界にしてしまう力のある人。この生声、歌いっぷり。夢のような時間でした。

Billbaord Live Tokyo
2014年9月19日1st 19:00-

Vo: 大貫妙子
G: 小倉博和
B: 鈴木正人
Ds: 沼澤尚
Ds: 林立夫
Key: フェビアン・レザ・パネ
Key: 森俊之


セットリスト
(1st)
1. ピーターラビットとわたし
2. 海と少年
3. 新しいシャツ
4. 朝のパレット
5. Berimbau Do Bem
6. 夏に恋する女たち
7. 船出
8. Happy-Go-Lucky
9. Time To Go
10.都会
11.ファム・ファタール
en はるかな HOME TOWN

(2nd)
1. ピーターラビットとわたし
2. 海と少年
3. 新しいシャツ
4. 朝のパレット
5. Berimbau Do Bem
6. 夏に恋する女たち
7. 船出
8. Happy-go-Lucky
9. Time To Go
10. 都会
11. ファム・ファタール
en1. 突然の贈り物
en2. はるかな HOME TOWN

2014年9月 9日

ぼくはスピーチをするために来たのではありません/ガブリエル・ガルシア=マルケス

ぼくはスピーチをするために来たのではありません/ガブリエル・ガルシア=マルケスバルガス=リョサの講演を生で聴いたことがある。うまいのはもちろんのこと、この人はきっと人前で話すのが好きなんだろうなと感じた。そうでなければ、政治家になろうなんて思わないだろう。ガルシア=マルケスはスピーチが苦手だったそうで、生涯でスピーチを行ったのは22回だけ。高校時代の「卒業生を送るスピーチ」まで収録しているのだから、本当なんだろう。

それぞれ演説の背景も添えられているので、ガルシア=マルケスにまつわるラテンアメリカのその時その時の社会状況などもわかるようになっている。

1982年のノーベル文学賞授賞式でのスピーチ「ラテンアメリカの孤独」は必読。ラテンアメリカの驚異的な現状とヨーロッパやアメリカから孤立している状況を訴える。ラテンアメリカの文学が受け入れられたのだから、ラテンアメリカの社会改革もあなたたちは受け入れるべきだと突きつけていて、心震える。


■原題:Yo no vengo a decir un discurso : Gabriel García Márquez
■書誌事項:新潮社 2014.4.25 208p ISBN978-4-10-509019-7