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2005年9月24日

200X年文学の旅

200X年文学の旅 ■著者:柴田元幸,沼野充義
■書誌事項:作品社 2005.8.27 ISBN4-86-182051-0
■感想
柴田元幸氏の翻訳されている多数の英米文学の作品のうち、私がはまるのが、とりあえずポール・オースターだけなのだが、これだけ精力的にやってるんだから、なんか他にもあるんじゃないかと思って買ってみた。ロシア、スラブ文学の沼野氏と半分ずつというのがまたよかった。沼野氏の方も、現代ロシア文学はわからないが、東欧圏のものは縁浅からず、といったところ。だが、それぞれの評論だったら、ちょっと手が出なかったかもしれない。贅沢な組み合わせについつい、というのは出版者の思惑通りだろう。

こういう評論は自分の幅を広げて面白そうな本を探すときにはぴったりだ。おかげでエステルハージとかゼーバルトとかマグナス・ミルズとかケルテース・イムレとか。いろいろ見つかったので、これからぼちぼち読もうと思う。もちろん、外れもあるだろうが、そこそこ読書が楽しめれば充分。あたりがあったらラッキーと思う。

しかしロシア文学も英米文学も、こういう気鋭の翻訳家・研究者がいるので、その辺の読者は恵まれている。ラテンも独文もあまり若手がいない。ラテンは杉山晃と安藤哲行くらいなものか。それでもやっぱり最近の作品は出てないのだが、それは翻訳家のせいじゃなくて、版元のせいだろう。売れないからなぁ。

最後に独仏クレオール文学の3人の翻訳者を加えた海外文学の座談会がのっている。面白いのだけど、こういうところでもラテンは排除されちゃうんだな。クレオール文学を入れるくらいなら、ラテン入れてくれと思うのだけど、東大がこのライン弱いんだよな‥。現代独文の代表的翻訳家が池内紀になっちゃうんだ。そうかぁ?ま、ちょっと周辺の方ということではぴったりかもしれない。

「ほぼ日刊イトイ新聞」内の担当編集者は知っている。コーナーに詳細が記してある。