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2003年12月 2日

ゲームのルール

ゲームのルール■著者:ピエルルイジ・コッリーナ著,石川顕啓編,山口英雄訳
■書誌事項:NHK出版 2003.8.27 ISBN4-14-080812-8
■感想
この著者のプロフィールを作成しました。夏に刊行されていたのは知っていましたが、先日ユーロ2004プレイオフのノルウェー対スペイン戦を見て、やっぱりカッコいいなぁと思って、つい購入してしまいました。同じくユーロ2004の予選のとき、トルコ対イングランド戦でもめたベッカムとアルバイに「試合に出たければ今すぐ問題を解決するんだ。ふたりとも国を代表する愛される選手だ。こんなふるまいは君たちにはふさわしくない。この一件は見なかったことにしよう」ときつく言ってたしなめた、とはアルバイの言葉。本当だったら、やっぱりカッコいいなぁと、そのときも思いました。
彼はこの風貌で審判としては異常に目立ちます。これは脱毛症によるもので、24歳のときからこうだそうです。長い間「良い審判は目立たない審判だ」と言われて来ましたが、それに対して本書の中でも反対しているように、この人自身がすでにアンチテーゼなわけです。どんな形にせよ、審判というものに対してサッカーファンがもっているイメージを変えたのは間違いありません。
この本の中にはこの記事の中のエピソードも入っていますが、他にもワールドカップやチャンピオンズリーグのエピソードもあります。
サッカーの審判をやる人は物好きだと思っていましたが、ホントに物好きでした。本当の理由は単にサッカーへの情熱で、自分にはプロの選手としての能力はないが、たとえアマチュア・サッカーであっても、サッカーというスポーツに貢献できることが審判を続ける理由だと。イタリアには審判が25,000人いて、うちセリエAとBの審判は35人だそうです。いかに草の根レベルに広がっているのかがよくわかりました。
私は、本書を読んだ後も読む前も同じ考えですが、良い審判は決断力のある審判であり、間違いを潔く認めることができる審判だと思いますね。