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2002年10月 8日

都市とモードのビデオノート

都市とモードのビデオノート■1992.3 81分 仏/独
■スタッフ
監督・脚本:ヴィム・ヴェンダース Wim Wenders
製作:ウルリッヒ・フェルスベルク Ulrich Felsberg
撮影:ロビー・ミューラー Robby Muller/ミュリエル・エーデルシュタイン/ウリ・クーディッケ/ヴィム・ヴェンダース Wim Wenders/中島正利/近森真史
出演:ヴィム・ヴェンダース/山本耀司
■感想
「東京画」に引き続き、ヴェンダースが東京を撮影したドキュメンタリー作品。残念ながらDVDになっておらず、ビデオも絶版である。でも、何とか手には入るものだ。
ファッション・デザイナー「Yoji Yamamoto」をテーマにヴェンダースが撮影した、シネ・ポエムというべき小作品。山本耀司の仕事風景を撮影しようと、ヴェンダースは35ミリの10分しかもたない手回しカメラを使用する。が、非常に音がうるさく、仕事の邪魔になると感じ、忌み嫌っていたビデオを使うことになる。
単純にビデオを使うのもしゃくだったらしく、というか、いろいろと冒険したい気持ちが伝わって来るが、


  1. 35ミリ映像(ちょっとしかないな)

  2. ビデオ映像を画面に取り入れた35ミリ映像

  3. ビデオ映像を画面に取り入れたビデオ映像

  4. ビデオ映像そのものの


といろいろな試みが行われ、どれもなかなかカッコ良く仕上がっている。
山本耀司と言えば「黒」の巨匠だ。似合う奴も似合わない奴もひたすら黒が大流行した時代があったなぁと思い出す。今でも黒は多いが、そんなね、みんながみんな似合うわけじゃないので、それほど高いパーセンテージではないが。山本耀司の自信と職人気質をうまく見せている。
これ自体はさほど悪くはないのだが、ただ、この次の作品があの「夢の涯てまでも」であることを考えると、どうなんだろうな。パリと東京の両方で撮影して、都市と都市の流れを感じてしまったのが、いかんかったのかもしれないな。