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2001年6月10日

夜になるまえに―ある亡命者の回想

■原題:Antes Que Anochezca, 1992, Reinaldo Arenas
■著者:レイナルド・アレナス著,安藤哲行訳
■書誌事項:国書刊行会 1997.4.25  ISBN4-336-03951-8(文学の冒険)
■感想
アレナスの自伝。貧しく、土を食べていた幼年時代から、キューバ革命に熱狂した青年時代、栄光の新進作家時代、そして、秘密警察に追われる日々。投獄、亡命。ニューヨークにたどり着いて10年でHIVに感染していることを知り、自伝を書き、自殺する。
壮絶な人生なんだけど、悲惨な話は多いんだけど、でも、ユーモアのセンスあふれるお話なので、別に読んでいて落ち込むようなものではないです。
しかし、すごいこの人はゲイとしても、すごいゲイです。つかまるってわかってるのにやっちゃうんだから…。キューバってゲイだらけなんじゃないかと、これ読んでると思うよ。
ラテンアメリカ文学の大作家たちが、カストロを支持したことにより、強烈に弾劾されている。筆頭はガルシア・マルケス、キューバの巨匠カルペンティエル、役人のようなカルロス・フエンテス。ガルシア・マルケスについてが特にひどいのだけど、政治的には所詮素人だから、作品の価値には関係ないと思うんだけど、不思議にアレナスと共通点があったりするから不思議。それは「グランドマザー・コンプレックス」。ラテンアメリカのおばあちゃんは偉大なんだな(笑)
アメリカではベストセラーになったようで、映画になっているのを知ったのは、私は後から。たまたま試写会のチケットもらったんだけど、まっ昼間だったので見に行けませんでした。残念。今年の秋公開なので、そうしたら見に行こうかと思います。結構すごいキャストだったりしますね。

■映画情報: 「夜になる前に」2000年 アメリカ
Before Night FallsBefore Night Falls 公式サイト(英語、スペイン語)
第57回ベネチア国際映画祭(2000年) 審査員グランプリ、最優秀男優賞
監督:Julian Schnabel
出演:
Javier Bardem (Reinaldo Arenas) ハビエル・バルデム
Sebastian Silva (Reinaldo's father) セバスチャン・シルバ
Olivier Martinez (Lazaro Gomez Carilles) オリヴィエ・マルティネス
Andrea Di Stefano (Pepe Malas) アンドレアス・ディ・ステファーノ
Johnny Depp (Bonbon, Lt. Victor) ジョニー・デップ
Sean Penn (Cuco Sanchez) ショーン・ベン
Michael Wincott (Herberto Zorilla Ochoa) マイケル・ウィンスコット
Hector Babenco (Virgilio Pinera) ヘクトール・バベンコ
Najwa Nimri (Fina Correa)

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